現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
東京都江東区の質店「藤井商店」で、経営者の藤井義正さん(78)と妻えつ子さん(74)が殺害された強盗殺人事件は17日、発生から1週間が経過した。当初、盗み目当てで侵入した者の犯行とみられたが、室内から100万円を超える現金が手つかずで見つかったうえ、無抵抗の2人の頭部だけを狙って象牙の置物で執拗(しつよう)に殴打していたことが分かった。計画性がある半面、場当たり的で凶暴な面もある犯人像を警視庁は絞り込めずにいる。
2人の遺体は10日朝に発見された。城東署捜査本部の調べでは、犯人は藤井さん方の風呂場の窓ガラスを工具で割って鍵を開ける「打ち破り」といわれる手口で侵入を試みている。これは、空き巣の代表的な侵入方法だ。ただ、もう一つ鍵がかかっていたため窓は開かず、工具を使って窓枠ごと外して侵入した。
この侵入手口に注目した捜査本部は当初、窃盗事件担当の捜査員を投入し、過去の空き巣事件の手口の分析を進めた。
ところが、窃盗犯なら物音を立てずに侵入するはずなのに、室内に侵入した犯人は、居間につながるドアを足でけ破っていたことが判明する。気づかれることを意に介さない行動だ。
さらに、犯人がタンスの引き出しやロッカーを開けるなど物色した形跡がある。その場所から、100万円を超える紙幣が手つかずで見つかった。大型金庫の鍵穴のふたをずらし、藤井さん方の鍵束を使って解錠を試みた形跡もあったが、果たせずに逃走している。
一方で、2人の傷は頭部だけに集中。しかも、損傷は激しく、「異様なほど凄惨(せいさん)な殺害現場だ」と捜査員は言う。
傷の部位や損傷の程度からは、犯人が寝室のベッドで就寝中の2人の頭部をめがけて、重さ約5キロ、長さ70〜80センチ、直径は8センチもある象牙の底部をそれぞれ10回前後、振り下ろしたと推定される。侵入を気づかれて騒がれた様子もなく、殺害が目的だったともうかがえる。
犯人は手袋をはめていた可能性が高く、現場から指紋は見つかっていない。殺害状況と併せて考えれば、恨みを持つ者の計画的な犯行ともとれるが、凶器は持ち込んでおらず、室内にあった象牙を使った。
捜査本部は、犯人が盗みを偽装した可能性や、恨みを抱く顔見知りによる犯行も視野に入れて、事件の解明に全力を挙げている。
(16:20)