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米家庭用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、洗剤が河川の水質に与える影響を予測するシミュレーションプログラムを無償で外部に公開する。関東を流れる多摩川をモデルに開発したプログラムで、流域人口、下水処理場や浄化槽の数といったデータを入力すれば、化学物質の環境濃度を1キロメートルごとに予測できる。同社は内外の研究機関などに採用を呼び掛ける。
「多摩川モデル」と名付けたプログラムは、日本での拠点であるP&Gファー・イースト・インク(神戸市東灘区)に在籍する山本昭子氏ら日米3人の研究者が開発した。洗剤に特化して河川における残存濃度を予測するプログラムは珍しいという。
プログラムではまず、1人当たりの平均洗剤使用量と人口を基に、河川流域での洗剤使用総量を算出。さらに上流から河口の間にある下水処理場や浄化槽の数、流入する支流の水量、流速といったデータをコンピューターに入力する。河川水による希釈率や微生物による分解なども数学的にシミュレーションする。
P&Gは衣料洗剤の代表的な界面活性剤である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)に関して多摩川流域での濃度を予測した。結果はいずれの地点でも生物に影響を与えるとされる1リットル当たり0.32ミリグラムを下回り、実際の採水調査結果ともほぼ一致したという。
「多摩川モデル」は既に日本石鹸洗剤工業会が環境リスクの測定に利用している。昨年9月には環境リスク評価モデルを集めた経済協力開発機構(OECD)のデータベースにも収録済み。今月7日まで熊本市で開催された日本水環境学会でも紹介された。P&Gは今後、同モデルの無償公開を加速、環境保全に取り組む姿勢をアピールする。