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環境、経済産業の両省は今月末にも、有害な化学物質を取り扱う全国の工場など計3万5000事業所の名前と1年間にどんな物質をどれだけ排出したかを公表することを決めた。これまで企業や行政が一手に握っていた化学物質に関する情報を市民にも積極的に提供する。「化学物質アドバイザー」も養成し、地域住民や自治体に公開されたデータの活用を促す。環境保全を求める住民運動をはじめ、地価への影響なども起きると見られる。
99年7月に成立したPRTR法(化学物質排出把握管理促進法)は、ダイオキシン類やトリクロロエチレンなど人の健康や自然環境に有害な化学物質を監視することが目的。同法で指定された354種類の化学物質を排出する工場や自動車排ガス、農薬などについて、国は排出量と移動量を把握する。届け出が義務付けられるのは従業員が21人以上で、化学物質の年間取扱量が1トン以上(制度開始から2年間は5トン以上)の工場など。事業所は化学物質について大気、河川、海、土壌、埋め立て処分などの別に排出量を届け出なければならない。
現在、環境省などがデータを集計中で、今月中の公表に向け、作業を進めている。国は都道府県ごとに化学物質の排出量データを公表するが、国に開示請求をすれば誰でも事業所ごとの個別データ(20円)を入手できる。全情報はCD―ROM(1090円)で提供される。
化学物質アドバイザーは、データを有効に利用してもらうための制度。市民団体、企業、自治体の要請があれば、データに基づき人体や環境への影響などについて、中立的な立場で説明する。大学で化学や薬学などを専攻した人が対象。東京か大阪で開かれる講習を受け、環境省の委託を受けた環境情報科学センターが認定する。
化学物質を扱う事業所などの情報公開は70年代〜90年代、オランダ、米、英、カナダ、オーストラリアなどで法制化されている。 【足立旬子】
[毎日新聞2月4日]