現在地 HOME > 掲示板 > 不安と不健康2 > 171.html ★阿修羅♪ |
|
抗がん剤「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)の副作用問題で、輸入販売元のアストラゼネカ社(本社・大阪市)の英国の親会社が、先月発売の英医学専門誌「ランセット」の中で、間質性肺炎と同剤との因果関係を疑問視していることが分かった。日本での死者が100人以上報告され、厚生労働省から危険性の警告を指示された後もこうした主張を続けていることに批判の声が出ている。
問題の記事は、先月25日付の同誌に「アストラゼネカが、日本での死者と関係づけられている抗がん剤を擁護」との見出しで掲載された。この中で親会社のアストラゼネカPLC社の広報担当者は、同誌の取材に応える形で、「患者に間質性肺障害がみられたが、因果関係は確立していない。問題は、間質性肺障害が進行した肺がんの患者ではよく知られた症状で、抗がん剤や放射線のような他のがん治療とも関係することだ」と説明。同誌はPLC社が「イレッサと死者との関係に疑問を呈している」と指摘している。
イレッサは昨年7月、日本が世界で初めて承認し、日本でのみ販売。昨年12月13日現在で494例の副作用(死亡124例)が報告され、うち358例(死亡114例)が間質性肺炎と急性肺障害だった。
日本のア社はPLC社が80%を出資する子会社で、雑誌の内容について「親会社と判断は同じ。イレッサと間質性肺障害の関連性は否定しないが、因果関係の確立には臨床試験でイレッサを投与した人としない人の発症率を比較し、発症の仕組みも解明することが必要だ。患者さんが安全に使えるよう真剣に努力している」と説明する。
抗がん剤に詳しい福島雅典・京都大教授(薬剤疫学)は「間質性肺炎は臨床試験段階でも起きており、イレッサしか使っていない患者にも発症している。これでも因果関係は確立していないというのでは、アストラゼネカ社の副作用対策は信用できない」と批判している。 【鯨岡秀紀、高木昭午】
[毎日新聞2月3日]