現在地 HOME > 掲示板 > 不安と不健康2 > 157.html ★阿修羅♪ |
|
経済産業省は18日、遅れが出ている原子力発電所の建設を後押しするため、「包括的促進策」を固めた。原発電力の優先利用のルール化や、原発立地地域に対する交付金制度の抜本改革などが柱だ。
東京電力の点検記録改ざん問題で原発建設の一段の遅れが不可避な中で、国策である原発立地をテコ入れする狙いがある。経産省は、あす20日開会の通常国会に関連法案を提出する。
促進策では、原発で発電された電力を優先的に使う仕組みを2005年をめどに導入するとしている。
具体的には、正月やゴールデンウイーク期間中など電力需要が落ち込む時期には、原発を持たない新規参入事業者の火力発電所などの出力を絞るようにする。
また、電力自由化が進めば、東電など1つの電力会社の営業区域から、中部電力など別の電力会社の区域内に電力を送って電力を売買する機会が増えると見込まれている。しかし、異なる営業区域間の送電容量は限られているため、原発電力を優先的に通過させるようにもする。いずれも、電力各社が行っている「系統運用」を通じて実施する考えだ。
さらに、原発が建設される地元地域へ交付金を支給している現行制度を今年10月にいったん廃止した上、新設する「電源立地地域対策交付金」制度に移管する。
交付金の財源は、電力会社が1キロ・ワット時当たり44・5銭納める電源開発促進税で賄われている。しかし、現状では原発建設が遅れて交付金の消化が進んでおらず、余剰金が膨らんでいる。このため、交付金の使い道を多様化して、誘致意欲を高める。
一方、今年夏ごろをめどに総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)に原発に関する専門委員会を設置し、これまで割安とされてきた原発の建設コストも検証し直す。
旧通産省の審議会が99年にまとめた試算では、1キロ・ワット時の発電原価は原子力が5・9円、天然ガスによる火力が6・4円、石油による火力が10・2円となっており、原発が最も割安とされた。しかし、使用済み核燃料処理や核燃料サイクルなどのコストが、安全対策をより手厚く見込むと、当時の試算より膨らむ可能性がある。このため、今後コスト増が原因で原発建設が滞る懸念があると判断すれば、税制の優遇措置など追加的な支援策も検討する。
電力自由化が進み、電力料金の値下げ競争が本格化すると、東京電力、関西電力など大手電力会社は初期投資の負担が軽い火力発電所に重点を移し、原発への投資を手控える懸念が指摘されている。
(1月19日03:05)
★ 経済論理で優位性が説明できなくなったことから、国策で原発の発電実績を維持し、原発を増加させなければならないところまできたようだ。
原発推進の根拠は、原発関連トータルではなく発電現場での二酸化炭素排出量だけというものだ。
事故被害の甚大さ、廃棄物処理問題、そして、耐用年数を稼動後に先延ばし続けている“廃炉”問題などを考えれば、原発から撤退していく方策を論議しなければならないことがわかるはずだ。
電力会社が“原発離れ”を見せはじめているのに、政府が原発拡大に執着し政策でそれを実現しようとしているのは反市場原理=反構造改革だとも言える。