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脳の血行をよくし、痴呆(ちほう)防止に効果があるなどの宣伝で人気の健康食品「イチョウ葉エキス」の成分を、国民生活センターが調べた結果、20銘柄中12銘柄で皮膚炎などを引き起こすアレルギー物質が検出された。同エキスを医薬品として扱う外国の成分規格の3000倍を超える高濃度の商品もあった。同センターは25日、厚生労働省に商品の改善などの指導を要望した。
テストしたのは(1)葉から抽出したエキスを錠剤やカプセル化したもの(2)葉を細かく砕いた粉末状のもの(3)葉をせんじてお茶として飲むものの3タイプ。薬局や通信販売で売られている。
イチョウの外種皮や葉には皮膚のかぶれなどを起こすアレルギー物資の「ギンコール酸」が含まれているが、20銘柄中12銘柄で検出された。医薬品として利用するドイツでは、エキス中のギンコール酸濃度は5ppm以下と定めている。
8銘柄はこの基準の約6〜3200倍の高濃度を示した。また、1日に摂取する目安量で、約8万倍の濃度の飲用を促す商品もあった。葉を粉砕した製法の商品が特に高かった。
同エキスは日本では食品扱いのため成分の規格基準はなく、どの銘柄にもギンコール酸のアレルギーに関する注意表示もなかった。
同センターには湿疹や吐き気などを訴える苦情や安全性に関する相談がこの10年で104件あった。同センターは「葉を粉砕した商品はアレルギー症状が出る心配がある」と使用を控えるよう呼びかけている。
同エキス市場は業界推計で01年は約110億円。健康食品メーカーなどでつくる日本健康・栄養食品協会(東京)は「海外の基準を参考に成分規格の自主基準を年内に作る」と話している。