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植物の生育に欠かせないホウ素を土壌から葉などに運ぶ遺伝
子を藤原徹・東京大助手(植物栄養学)らが世界で初めて発見
した。ホウ素が不足したり過剰になると作物の収量や品質に大
きな影響を与える。中国では土壌中のホウ素不足のため綿花栽
培に年間百数十億円の対策費がつぎ込まれている。日本を含む
80カ国以上で影響が出ており、研究は農業生産の向上に役
立ちそうだ。21日発行の英科学誌「ネイチャー」に掲載され
た。
藤原助手らは土壌中のホウ素
濃度が低いと生長しない特殊なアブラナ科シロイヌナズナを使って、どの遺伝子が壊れてい
るのか調べた。
その結果、このシロイヌナズナの2番染色体にある遺伝子が欠落しているのを発見。この
遺伝子がつくるたんぱく質が存在していると細胞内のホウ素濃度が下がった。たんぱく質
は、水や養分を根から葉に運ぶ管のそばにある細胞膜上に分布していて、この遺伝子が細胞
内から細胞外にホウ素を運び出す役割を担っていると判断できた。
藤原助手は「この遺伝子はイネやトウモロコシなどの主要穀物にも存在しており、収量向
上や品質確保に役立つ」と話す。 【田中泰義】
[毎日新聞11月21日] ( 2002-11-21-10:10 )