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　［東京　１８日　ロイター］　福井新日銀総裁は、日本経済の現状について、「本当に厳しい状況にある。一歩誤ればデフレスパイラルの淵に陥りかねない。ギリギリの危うい均衡を保ちながら、今日まで推移してきている」との厳しい認識を示した。
　衆議院財務金融委員会における参考人質疑のなかで、山本幸三委員（自民）の質問に答えたもの。

　福井氏は、「経済が持続的成長軌道に復帰するメドを立てるには、相当距離のある段階にある。デフレ脱却の見通しもまだ立っていない。金融システムもまだ、建て直しの途上にある。残された課題は重要であり、全力を挙げて、命がけで取り組む」と述べた。

　“デフレ脱却できなければ責任を取るか”との質問に対し、福井氏は、「あらゆる厳しい条件を前提にして、そのなかで最高の経済のパフォーマンスを実現していく。そういう意味では、責任を取って対処する。デフレは、民間・政府・日銀の対応が相乗効果を出すところまで整合性が取れていないと結果が出てこない。日銀としては最善の努力をする」と述べた。

　福井氏は、インフレターゲット政策について、１）政策の透明性を高める、２）中央銀行自身の自己規律を強める効果を自らに課す、という２点を挙げ、「インフレターゲットは、中央銀行にとって重要な道具立てのひとつと考えている」と述べた。

　そのうえで、日銀総裁に就任したら、政策の透明度を高いものに持っていくよう、工夫したいとの考えを示した。

　さらには、自己規律に関しては、「日銀が打った政策が、最終的に目指したところに対して、どういう波及過程をもって実現していくか。波及過程が明確でなければ、中央銀行の責任を持った政策とはならない。波及経路に確信がある時に責任を負える」とし、量的緩和がどういう波及経路でターゲットに到達するか、今は、極めて不安定だと指摘した。そのうえで、「効果の波及過程をしっかり磨き直したい。いろいろなパイプが目詰まりになっているかもしれないが、パイプの掃除をきちんとやりながら、インフレターゲットで結果責任をを得るようになりたい」としながらも、「現状でその条件が整っているか、政策委員のメンバーと良く議論したい」と述べた。

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