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東京 3月18日(ブルームバーグ):20日に日本銀行副総裁に就任する岩田一政氏は18日午前、衆院財務金融委員会の参考人質疑の冒頭で所信表明を行い、デフレ克服のために「1930年代の教訓に学ぶべき」としたうえで、「物価数値目標の設定」、さらに長期金利を一定にするために「長期国債の買い入れ増額」や「既存の国債の物価連動債への交換」などが必要、との考えを示した。
岩田次期副総裁はまず「福井総裁のもとで、執行部の一員としてデフレ克服のために全力を傾注したい」と言明。そのうえで「1930年代はデフレスパイラルの状況にあったが、これを克服した経験を持っている。日本もデフレを克服するうえで1930年代の経験をしっかり教訓にすべきだ」と述べた。
岩田次期副総裁は学ぶべき教訓として、1)スウェーデン中央銀行は物価水準安定目標を設定した、2)ルーズベルト米大統領は長期金利を一定水準に抑えるため、必要なら国債をいくらでも買う政策を取った、3)日本も高橋財政のもとで、国債価格の安定のため、時価会計ではなく簿価会計にする特別措置を取った――ことを挙げた。
2%上限にした期限付きの物価安定目標
岩田次期副総裁は「物価安定目標を採用することで、国民に対する説明責任を明確化することができ、政策決定過程の透明性を高めることができる」と指摘。そのうえで「日銀は現在でも広い意味での物価安定目標を掲げていると考えられるが、その政策をさらに発展させて、物価上昇率にたとえば2%と上限を設け、目標を達成する期限を明示すべきだと考えている」と述べた。
岩田次期副総裁はまた、長期金利高騰のリスクに対しては、1)米国の例に倣って、長期金利を一定に維持するため、必要なら国債買い切りオペを増額する、2)高橋財政のもとでの国債管理政策に倣い、国債をいつでも物価連動債に交換できるようにする政策を取る−−ことを提案した。
実勢の消費者物価マイナス幅は倍
岩田次期副総裁はさらに、共産党の吉井英勝氏に対する答弁で、物価安定目標の水準について「0−2%という範囲が1つの案として考えられる」と指摘。戦前のスウェーデン中央銀行が導入したゼロインフレを例として挙げ、「今の日本でも十分に通用する考え方」と述べた。さらに、消費者物価指数には安売りや特売品などが十分に反映されていないとして、「実勢では前年比マイナス0.8%程度の現行の数字の倍くらいあるかもしれない」と説明した。
そのうえで、岩田氏は「ゼロインフレといっても(日本の)実態では、ややマイナスのデフレとの意味合いがある。今の日本で望ましい物価水準は1%程度に置くのがよいが、ピンポイントで設定するのは難しい。それにプラスマイナス1を足せばよい」と述べた。
東京 日高 正裕 Masahiro Hidaka
下土井 京子 Kyoko Shimodoi