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相場を読む 為替・金利
最新更新時刻: 2003/03/18 17:29
焦点は終戦後の状況に・横山 伸氏
先週の為替相場はイラク情勢の混迷を映して方向感が定まりがたい状況だったが、基本的にはこれまでのドル安地合いを調整する局面となった。円相場は1ドル=118円台を回復、ユーロは1.1台から一時は1.06台にまで後退した。さらに昨日には、開戦が確実視される中、早期決着を材料にさらに調整色が強まり、ユーロは1.05台まで下げている。(横山 伸・第一生命保険債券部審議役)
湾岸戦争に倣った展開になるか
これまでの開戦を巡って混沌とした見通しを嫌気したドル売りが一服、短期的にはポジションを手仕舞う方向に動いており、焦点は完全に終戦後の状況に移ってきた。
1991年の湾岸戦争の時は、開戦直後までドル売りが大きく進み、その後は大きくドルが買い戻され、開戦時をはるかに上回るドル高となっている。
今回も同じ様相を呈するとすれば、この2日ばかりのドル買いの動きが潮の変わり目と取れなくもない。
だが、当時と決定的に違うのは、アメリカの景況感の水準と、投資家のリスクに過敏な度合いの差にある。特に投資家は、資本市場に痛みつけられてから完全に立ち直るのに十分な時間を経たとはいえない。まだ後遺症に悩まされている時期にあり、戦争が終結したとしても俊敏に行動を開始するようには思えないのだ。
しかも、国際世論にそむいてまでして開戦に踏み切るアメリカと、フランス・ドイツを中心とした対立勢力との間のあつれきが、戦後の協調体制に影を落すことは想像に難くない。アメリカのリーダーシップの衰えが、ドルの地位を危うくする事態も想定し得る。
混迷の度合いは開戦前よりもさらに深くなるかもしれず、湾岸戦争の例にならってのドル高転換は大きく期待できないように思える。
調整色濃い展開続く
しかしながら、ここまで積み上がったドル売りのポジションは、まだ完全に調整されたとはいえない。当分は上下動の激しい不安定なマーケットが続きそうな感じではある。
これまで戦争しか注目してこなかった市場の目が、ファンダメンタル等の他の材料にも向けられてくると、材料次第では思わぬドル高に振れる可能性もありそうに思える。
今週は、117-120円のレンジで、一層調整色の濃い展開になりそうだ。