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金市場の焦点はポスト・イラクへ?(2003.3.14) 3月13日のNY金市場は前日比10ドルの大幅安。為替は1円30銭の大幅円安、ドル高。NY株式は200ドル超の反騰。
CNNが“イラク兵が米攻撃となれば降伏か”と報じただけで、イラク情勢も山場を過ぎたとの観測が強まり、市場のいわゆる“戦争プレミアム”(株の場合は戦争ディスカウント)が剥げてきた。イラク情勢は引き続き予断を許さない緊張が続いてはいるものの、マーケットには既に織り込み済みとなり、市場は次のテーマの模索を始めている。
金価格に関して言えば、341ドルの100日移動平均線を割り込み、328ドルの200日移動平均線は上回っている状態である。現物市場にはいよいよ買いの値ごろ感が強まってきた。これまでじっと我慢で待ちつづけてきた実需買い、さらに現物投資買いが入ってくるだろう。下値は固い。330〜360ドルの中期調整局面のレンジの中では底値に近い。
昨年12月330ドルからほぼ一直線に2月380ドルまで上げたときに330ドル台をすっとばして、いきなり350〜360ドルへ突き進んだので、“砂上の楼閣”という言葉を使った記憶がある。330ドル台に戻り、改めて330ドル台のレベルの売買を繰り返しいわゆる“値固め”をする時期に入った。砂上の楼閣が堅固な礎の上に建つ楼閣に建て直されようとしている。
昨晩の売りの連鎖は、ストップロスと呼ばれる先物の売りである。イラク開戦を当てこんで先物買いに入った短期的投機家(投資ではない)が、損を覚悟の売り手仕舞いに入ったのだ。これだけ全世界が戦争だと騒ぎ、さまざまな情報が入り乱れれば、このうえ開戦となっても市場内にサプライズ(驚き)はない。サプライズがなければ、相場は動かない。皆が知っていることは市場を動かす要因とはならない。
金価格が上昇トレンドにある理由はイラク、北朝鮮問題だけではない。いや、それらはむしろ一過性要因であると繰り返し述べてきた。一般の個人投資家にとって大事なことは、今日明日のNY市場の価格ではなく、もっと長期的な価格トレンドであろう。あらためて、金価格が上がっている七つの要因を思い起こしていただきたい。これらは殆どが構造的要因である。
世界の投資マネーのドル離れ。米国経済一人勝ちの終焉。
信用破綻の連鎖――実物資産への回帰現象
テロ、戦争など有事に備える資産がドルから金へ移行
世界的低金利
株価と無関係に動く代替資産へのシフト
中国金解禁
鉱山会社ヘッジ売りの終わり
これらの要因は、イラク情勢緊張化以前から始まり、今後も続く構造的要因である。テロ、戦争にしても、仮にイラク攻撃が米国の圧倒的勝利に終わっても、正攻法ではとても勝ち目がないと思い知ったイスラム過激派は益々ゲリラ的テロに走るだろう。
一般投資家はプロのディーラーとは違う。派手などんぱちに惑わされず、じっくりと長期の流れを追うべきである。長期の観点に立てば、330ドル台には買いの値ごろ感がある。