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さながらイラクは、米軍の最新兵器実験場である。前回の湾岸戦争から12年、米軍の戦力は当時とは比較にならないほど強化されている。米軍の“フセイン抹殺”のための戦争が実は、次なる空爆=北朝鮮攻撃をも視野に収めている点は見逃せない。電撃空爆からイラク壊滅、そして……。米軍の戦力を緊急分析する。
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「現段階で米軍の戦力を100とすれば、イラク軍の戦力は1に過ぎない」
というのは軍事評論家の江畑謙介氏だ。
「前回の湾岸戦争当時に比べて、GPS(全地球測位システム)誘導爆弾などの導入により、今の米軍の戦闘効率は数十倍に高まっています。湾岸戦争時の精密誘導兵器の使用率は全体の9%でしたが、現在では90%以上。ほぼ全てがハイテク兵器になっており、精度も格段に向上しています。
簡単にいえば、湾岸戦争時には1つの攻撃目標を破壊するために、4発の通常爆弾を搭載した爆撃機を10機要したのに対し、現在は1機だけで4か所の攻撃目標が破壊できるまで戦闘効率が上がっているのです」
具体的にどのような兵器が投入されるのか。
<精密誘導爆弾・ミサイル>
爆弾では、命中精度や破壊力から精密誘導爆弾が主役を担う。その代表的なものは、「ペイヴウェイ・シリーズ」や「JDAM」などだ。『新版ミサイル事典』(新紀元社刊)の著者・小都元(おづ・はじめ)氏はこう解説する。
「ペイヴウェイはレーザー誘導爆弾で、航空機からレーザー光を目標に照射して誘導し、命中させるもの。ペイヴウェイ・シリーズの中でも、地下道や地下施設を破壊することを目的につくられたものが通称“バンカーバスター”といわれる爆弾で、その代表がGBU―28です。地下30メートルにまで達し、そこで爆発するもので、地下司令部などを灰燼に帰す威力があり、強化コンクリートでも7メートル程度は貫通できます」
命中精度は投下した爆弾の半数が着弾する範囲を示すCEP(半数必中界)で表わされ、たとえば、JDAMは13メートルだが、これは発射された半数が目標を中心とした半径13メートルの円内に着弾することを意味する。一方、バンカーバスターを含むペイヴウェイのCEPはなんと8メートルの精度を誇る。
<航空機・攻撃ヘリ>
フセイン大統領の地下司令部を叩くバンカーバスターをイラク上空まで運ぶのが、多目的攻撃機「F―15Eストライク・イーグル」だ。軍事ジャーナリストの清谷信一氏は語る。
「この米空軍の主力機は、湾岸戦争後も改良が続けられ、地上目標の探知に優れた開口合成レーダーの採用をはじめ電子システムなどが格段に向上しており、トマホークとともにイラク軍の大きな脅威となるのは間違いありません。また、爆撃機ではステルス機(※2)『B―2』がよく知られていますが、爆弾搭載能力でB―2をはるかに凌駕する『B―1Bランサー』が主力となるでしょう」
湾岸戦争時と違って、偵察・監視のためにUAV(無人偵察機)が多用されるのが今回の戦争の特徴だ。
攻撃ヘリでは、「AH―64Dロングボー・アパッチ」が主力となるが、レーダーなどに探知されにくいステルス性を追求した最新鋭の偵察・攻撃ヘリ「RAH―66コマンチ」が、初めて実戦投入されそうだ。さらに、ローターを立てればヘリのように垂直離着陸が可能で、水平にすれば通常の飛行機のようにヘリのほぼ2倍の速度で飛行できる「V―22オスプレイ」が、やはり初登板といわれている。
<戦車・歩兵>
戦車は、IVIS(車輛間情報システム)を搭載し、味方・敵部隊の動向を本部からリアルタイムで入手し、迂回攻撃や待ち伏せができる“IT戦車”「M1A2エイブラムス」に加え、ロボット戦車ともいえる小型無人戦闘車輛の投入がありえるかもしれない。歩兵装備でも、アフガン戦の時よりさらに改良が加えられ、各種センサー、暗視装置に加え、兵士の体調モニターまで完備した「ランドウォーリアー」が投入される見込みだ。
また、まだ詳細が公開されていない「高出力マイクロウェーブ兵器」が使用される可能性もある。これは、爆発とともに電磁波を発生し、コンピュータや電子機器を破壊するといわれる超最新兵器だ。さらには、小型核兵器の使用まで取り沙汰されている。