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平均株価が7900円を割り込む緊急事態を受け、与党内で緊急対策の検討が活発化する。最大の検討課題は、株価下落による損失を決算に反映させる「時価会計」の凍結。大量の株式を保有する銀行が3月決算を乗りきるには、制度を根本から変えるしかないという苦肉の策だ。いくら決算を乗り切っても、株式含み損が銀行を圧迫している現状に変化はない。せっかくの秘策も「両刃の剣」で、銀行の信頼回復の面では空回りに終わる可能性が大きい。
株価下落による銀行決算への影響は計り知れないほど大きい。8000円割れの水準では、大手銀行の株式含み損は約6兆円。時価会計のもとでは、大手銀行すべてが赤字決算になる公算が大きく、与党内には「このままでは金融危機が起こる」との不安が高まる。
そこで、自民党の麻生太郎政調会長は11日、党役員連絡会で時価会計の一時凍結を提案。参加者から「3月決算を乗りきるには必要な施策」と賛同の声が上がった。
「与党金融政策プロジェクトチーム」(座長・相沢英之自民党税調会長)も同日の初会合で、時価会計の凍結や銀行の株式保有制限の延期などについて討議した。
政府に、銀行への予防的公的資金の注入や不良再建処理支援税制の実施などを求め、日銀にはインフレ目標の導入や銀行からの株式買い取り枠の拡大、株価指数連動型投資信託(ETF)の買い取りなどを求めることも提案された。
これに対し、銀行側には「時価会計の減損処理が凍結されれば、株価変動によって銀行の健全性が左右されなくなる」と歓迎する向きもある。
今回の株価急落は、イラク情勢の緊迫化や北朝鮮のミサイル発射など、地政学的な理由が主要因。「増資などで積み上げてきた努力が、水の泡になってしまってはたまらない」(大手銀行)との本音もあるからだ。
ただ、時価会計がすでに始動しているルールだけに、凍結に対する反発も強い。
「時価会計をストップさせれば、日本企業は国際的に信用を損なう」(大手監査法人)というだけでなく、「海外の投資家が日本市場への投資を引き上げ、さらなる株価下落を招く」(外資系証券)危険性もある。
銀行への信頼度の低下は、公的資金や繰り延べ税金資産などで水増しされた自己資本に対する不信感が原因の1つ。
このうえ時価会計まで“粉飾”して健全性を主張するようでは、日本の銀行の信頼は地に落ちるというわけだ。
与党には、小手先の株価対策ではなく、銀行の赤字決算を日本経済の縮小や信頼失墜に結び付けないため、毅然(きぜん)とした対策が求められている。