現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産23 > 411.html ★阿修羅♪ |
|
デフレ経済下では株式相場は低迷するというのが常識とされている。ところが、三菱証券・リサーチ本部チーフエコノミストの水野和夫さんは、「19世紀のデフレの時代、英国の株価は上昇していた」と語る。ちなみに、水野さんは、グローバリゼーションとインターネット革命が相俟って、世界は20世紀とは断絶した全く新しい時代に入ったという歴史観を念頭に置いている。
<技術革新による成長産業企業の株価が上昇する> では、デフレ経済下でも株式相場が上昇するのは、なぜだろうか? 水野さんは「数量経済が増えていたからだ」と言う。当時の英国では鉄道産業、海運業で技術革新が起こり、船のトン数が増えるなど需要が拡大していた。つまり、「物の価格は下がるが、成長産業は名目でも拡大したことからGDP自体は拡大していた」わけである。ここでのキーワードは、もちろん技術革新だ。資本主義とは、「絶え間ない技術革新のプロセス」とする水野さんは、経済が技術革新型であるかどうかは、「等量曲線」を描くことによって判断できると言う。それによると、米国は80年代前半を境に、技術革新型経済にシフトしたことが証明できる。
<デフレ経済でバブルを繰り返しつつ上昇する> ただ、デフレなので常に金余り現象にあり、投機が行き過ぎて何度もバブルを繰り返し、崩壊している。それでも、「株価は上がってもまた下がりながらトレンドとしては上がっていく」と言う。すでに現在でも日本のバブル以降、世界的なITバブルや住宅バブルが発生しているのはご存じの通りである。
<ドル安許容度、資本流出なければ「いくらでもいい」> 為替相場については、「現状でもドルが強すぎる」と言う。1995年以降、ドル高の修正がバスケット・ベースで一部でしか起きていない。裏返せば、ユーロが弱すぎる。ドル高は米国株価が上昇しているうちはファイナンスには問題ないが、株価が上がらなくなった段階ではこれ以上のドル高は避けたいのが米国のスタンス。ただ、急激に安くすると資本が米国から流出してしまうので、徐々に下げていく。米国が許容できるドル安は、「資本が流出しないレベルであれば、いくらでもいいと思う」。日本は米国株より米国債を中心に買っているし、急激なドル安・円高が進むと日本が介入して自分で動いている。米国はお任せしておけばいいので、安心し切っているのではないかとして、「徐々に波を描きながらドルが下落(=円高進行)する」と見ている。円が強くなり、ユーロがそれ以上に強くなる。