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UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、「迫力を欠く政策対応」を挙げる。
<新たな公的支援スキームの早期構築を迫られる> 政府に金融危機宣言をする意思がない以上、「経済政策はオーソドックスなものに止まざるを得ない」と語る。金融の量的緩和追加(非不胎化介入資金も利用)と、補正予算、会計措置、税制措置に絡むリップサービスが基本となると見る。そうした中で、政府は、金融機関に対する新たな公的支援スキームの早期構築を迫られる、と言う。「予防的公的資金注入とそれと一体化した日銀による支援体制の整備」である。デフレ的な構造改革を嫌い続ける以上、政策対応はどんどん「先送り型」になってしまう可能性が高いことを憂慮している。
<経済政策運営の考え方に関する4つのポイント> 経済政策運営の考え方に関するポイント(ほぼ原文の通り)を改めて整理するーー。
(1).金融危機宣言を行わずして、日銀にETF購入等の非伝統的な政策対応を求 めることは基本的に不可能である。
(2).金融危機宣言を行うこととは、預金保険法に則り、銀行の過小資本状態と信用秩序への重大な障害が生じる可能性を、公に認定することである。しかし、昨日までの政府関係者(首相を含む)の発言をみる限り、政府には金融危機宣言を行う用意は依然としてない、とみられる。
(3).従って、現段階で予想される政策対応は、
@日銀による機動的な資金供給の拡大(非不胎化為替介入も1つの資金供給手段、当座預金ターゲットを25兆円程度まで漸次引き上げ)、
A銀行の株式保有制限の導入延長、減損会計導入の延長といった会計措置の検討、
B銀行の自己資本強化のための税制改正(新たな無税償却制度の導入、繰戻還付金制度の凍結解除等)の早期検討、
C可能な限り早期 での補正予算組成の可能性示唆、など、といった迫力に欠けるものとなる可能性が極めて高い。
(4).今後の最大の焦点は、「危機宣言を要しない予防的対応」のフレームワーク 作り、となろう。その柱は、「予防的公的資金注入」と「その発動と一体化した日銀への協力要請」(日銀によるETF購入等)になるであろう。現行の預金保 険法を超えた危機対応スキームの策定である。政府が、こうした新たな公的介入スキームの立ち上げに、いかに早期にコミットできるか、に注目したい。
(注:白川さんは明日から来週一杯、海外出張のため、コメントはお休みとなります。)