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矛盾した円高と、戦略無き円の国際化 今の円高ドル安はは一種のバブルである。
円高ドル安となっている、115円を切る円高ドル安になった場合、ドルブル派は完全降伏である。そういったなかで、「円の国際化推進研究会・座長とりまとめ」 が先日発表となった。
今後の円はどうなるのかある程度の指針となろう、その内容は、グランドデザインも何も無い作文であった。あまりに戦略性計画性を感じれない。
「我が国の市場の国際化を進めることは、我が国金融セクターの活性化を図り、法務、会計事務等の関連サービスを含めて、我が国経済の活性化に貢献することが期待される」「安全かつ流動性の高い円の短期金融市場が非居住者にオープンな形で存在することは、非居住者が円を利用する上で不可欠である。かねてより、円の国際化の観点から、円の短期金融市場の整備が進められ、その活性化が図られてきている。」
北朝鮮リスクを含め、円の国際化の戦略もなにもあったものでないこの発表を読むと、非常に虚しい。円高になるのが不自然に思えてならない。
ただでさえ、日本経済の凋落と、ゼロ金利どころかマイナス金利の長期化で、香港シンガポールに奪われつつある、アジアの金融センターとしての東京市場の凋落が止まらない。外銀・外国証券の東京支店の縮小、撤退が相次ぎ、そのうえ、国内地方金融機関が東京の資金証券部及び東京支店を閉鎖する動きが止まらない。
デフレ政策として一時的にゼロ金利マイナス金利として市場の機能を抑制しなければならない局面もあることは市場参加者としても認めるが、グランドデザインを伴わない場当たり的な対応では、単に東京市場を衰退させ円を弱体化させていくだけのように思える。
イギリスの対応を日本は見習うべきだ。ユーロに加盟していないにも関わらず、ロンドンはしたたかにユーロのビジネスを取り込み、結果的にユーロ以前よりも金融センターとしての地位を高めた。イギリスにとって金融ビジネスは国策として重視されているのだ。日本はといえば、財務省金融庁は全く国策や戦略というものを持つ発想が無い。欧州のヘッドオフィスをロンドンに移転した金融機関は相次いだが、対照的に、ECB(欧州中央銀行)が本拠地を置くフランクフルト市場は規制の多さが災いして地盤低下が進んでいる。
日本もオフィスビルは供給過剰ぎみにあるが、規制だらけで地盤沈下するであろう。
まだ先のことだとは思うが、仮に中国が、今後予想される金融危機を乗り越え、人民元のペッグ制を止め、国内産業の保護よりもロンドンのように金融ビジネスの獲得に魅力を見出して、元のフロート制移行を宣言することが将来あれば、瞬く間に上海はアジアの金融センターとなるだろう。円のローカル化は決定的となってしまう。デフレ対策の名の下に漫然と金融市場を管理下に置き、その機能を低下させることは将来の大きな損失につながるリスクがあることを意識すべきである。