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「次期日銀総裁への就任が決まった福井俊彦氏にとって、“財界”はまさに陰のパトロンとでも言うべき存在。その陰のパトロンが、『日銀が株や土地購入を』と言い出したことは、福井氏にとって相当なプレッシャーになってくれるのではないか…」
日銀幹部がこう言ってみせる。
3月7日、欧州を訪問中の奥田碩日本経団連会長は、ベルリン市内のホテルで記者会見を行い、同日の東京株式市場でバブル崩壊後最安値を更新したことに関連して、次のような発言を行った。
「(日経平均株価が)8000円を大幅に割り込めば、日銀や財務当局も相当な決意を必要とするのではないか。(8000円を割り込んだ場合には)日銀は、株の買い増しや土地を買うところまで立ち入っていかないと(株価の上昇には)難しいと思う−−」
財務省幹部が言う。
「福井氏の次期日銀総裁就任が決定されるにあたって、結果的に財界の果たした役割は極めて大きいと言えるだろう。そもそも財界サイドで次期日銀総裁人事に関していち早く“福井支持”を打ち出したのは、経済同友会だった。福井氏自身、同友会副代表幹事のポストにあったこともあり、財界にとって、福井氏は影響力の行使できる“手駒”のひとつ、という認識があったことは間違いない。この同友会の動きにすぐさま呼応したのが、経団連だ。この両者は水面下でつながていたと見るべきだろう」
改めて説明するまでもなく福井氏は、日銀副総裁まで務めたバリバリの日銀プロパーだ。
福井氏がかつて日銀内部では、“プリンス”と呼ばれていたことはよく知られているが、日銀ファミリーの最高実力者である三重野元日銀総裁の全面バックアップを受け、間違いなく「プリンス・ライン(将来の総裁候補)」に乗っていたことは間違いない。
ここでポイントになるのは、その“プリンス”が日銀に復帰するにあたって、財界の果たした役割は少なくないという点だ。
「こうした経緯から財界は日銀に恩を売ったと考えているのではないか。そしてそのことで日銀に対して一定の影響力を行使できると考えているのではないか。だとしたらそれは大きな勘違いだ。福井氏はそもそも、“日銀の独立性”という点に徹底的にこだわる人物だ。逆に言えば、“日銀の独立性”に抵触するような動きには、徹底的に反発することになるのは、間違いない」(福井氏をよく知る日銀OB)
だとしたら、本稿冒頭で紹介した“奥田発言”に対して福井氏は相当な不快感を持っているのではないだろうか。
「それは間違いないでしょう。そもそも福井氏は、『日銀のポートフォリオが国債一辺倒になっているのはおかしい。多様性を持たせるべきだ−−』という考えの持ち主なのです。こうしたことから考えて、福井氏率いる日銀が、ETFに代表される株式、為替−−米国債などの購入に動く可能性はあるといえるでしょう。しかしそれはあくまでも日銀独自の判断にもとづいた場合です。外部からの圧力で動くことは100%ありません。そして日銀サイドはそうみられかねない行動をとることを極端に嫌う組織なのです」(前述同)
まさに“奥田発言”は、逆効果といったところだろうか。
2003/3/10