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・ 日銀新体制
・ 福井新総裁でデフレは長期化する
河野 龍太郎(BNPパリバ証券経済調査部長)エコノミスト 2003.3.11
「・・・今回の日銀人事で最優先されたのは、デフレ除去ではなく史上最低水準まで低下した長期金利の低位安定である。デフレを除去し、マイルドなインフレを醸成することは、超低金利時代の終焉を意味する。これまで超低金利の継続を想定して長期国債を大量に購入してきた民間・公的金融機関は、インフレ醸成政策の実施で莫大な損失を被る恐れがあるのだ。・・・」
「・・・ここ数年、多くの金融機関は融資を圧縮し、株式を売却する一方で、長期国債の保有を増加させている。デフレが続いても存続可能なように、リスク資産を圧縮し安全資産のウエートを高めているのである。デフレが続けばそのようなポートフォリオは望ましいが、国債価格下落を意味するインフレ醸成政策が採用されれば、そうした金融機関のポートフォリオは最悪のものとなる。今回の総裁人事は、インフレ醸成政策は採用しない、長期金利は低位安定が続く、という市場への強いメッセージだったのである。・・・」
「・・・日本政府は今後も大量の国債発行を余儀なくされる。デフレによる税収不足が財政赤字拡大をもたらすだけでなく、不良債権処理などで多額の資金が必要となる。それを国債発行で安定的に賄うには、日銀の購入というサポートが必要である。現在、日銀は長期国債の保有上限を定めているが、早晩その上限は撤廃され、さらに国債の購入を進めていくだろう。インフレ醸成を目的とした国債購入ではなく、長期金利の安定を最優先した国債購入である。もちろん、こうした政策がいつまで持続可能なのかわからない。公的債務が将来の税収では担保されないと人々が認識し始めればマネタイゼーション(通貨の供給)は最終的にはインフレ予想を高めることにつながる。・・・」
「・・・ある財務省OBは、「国債暴落という最悪シナリオは絶対避けねばならず、その意味で安易なインフレターゲティング導入による長期金利上昇という事態を牽制すると同時に、国債買い切りオペ増額で国債発行対応を日銀に期待する。武藤氏は自分の役割を十分理解している」と言う。・・・」
この記事についての本音言三のヤブニラミ解説
歴史的観点、大局的立場からみれば打つ手なしであっても、当事者、当局は何とかしなければともがき苦しむのでしょうか。使命感のなせるわざなのか、あるいは単なるエクスキューズ(言いわけ)なのかよく分かりません。大本営発表を信じない人が多くなる時期に、「大本営」がどのような行動をとるのかを身近に見ることができる時代に生きていることをせめての幸せと考える外はないのでしょう。壮大なドラマを楽しむ、そんな余裕で見守りたいものです。