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BNPパリバ証券会社・経済調査部チーフ・エコノミストの河野龍太郎さんは、個人の金融資産の4割弱が最終的に国債と財投に流れているとの新聞記事で、これは「デフレで社会全体に安全志向が高まっているためで、結果的に経済成長の源泉である企業に資金が流れにくくなっている」とコメントしている。 ただ同時に、「こうした評価は、あくまで家計部門あるいは資金の出し手から見た動きであり、マクロ経済の資金の流れの一側面を示すに過ぎない」と語る。
<企業の借入れウエイトが大幅に低下している> 家計、企業、政府部門の資金調達の推移を示したグラフ(=資金循環表の非金融 部門の負債の推移)を見ると、景気低迷を背景に、資金需要の低下か ら、「企業の借入れのウエイトが大幅に低下している」ことがわかる。3月5日 Economic Spotlightでも紹介したように、企業部門のネットの貯蓄超過は拡大傾向 にある。因果関係は、企業に対する資金の供給が低下したことが原因ではなく、「あくまで(デフレによる実質債務負担の増加を背景とした)企業の資金需要の減少が 原因である」と言う。一方で、政府部門の負債が拡大している。これは景気低迷によって税 収が大幅に減少したことなどが背景である。政府部門の負債が増えることで、景気 の大幅な縮小、あるいはマネーの大幅な縮小が避けられているというわけである。 ただし、マクロ経済全体に占める割合は21.8%と「4割弱」という数字がかなり誇張 されていることが分かると言う。
<安全資産指向は国債利回り低下や円高圧力を招来> 今度は経済全体の資金の流れを金融市場から見ると、安全資産である現預金あるい は国債に対する需要が極度に高まり、株などのリスク資産に対する極度の回避傾向 が現れている。「デフレ予想が存在する限り、いくら中央銀行が伝統的な金融政策に よって流動性の供給を行っても、安全資産に対する人々の需要は簡単には飽和しな い」。こうした現象は外為市場でも見られると言う。日本人の円に対する需要は衰えず、反対 に、外貨に対する需要がなかなか高まらない。例えば、北朝鮮問題のような本来円安要因と見られるような事態が生じても、日本人の流動性選好がますます高まり、 「それが(安全資産と認識される)国債の利回り低下や円高圧力をもたらす」。つまり、日本経済が「流動性の罠」に陥っていることに他ならない。