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2002年度1.6%、03年度は1.1%成長−輸出依存の緩やかな回復が続く
2003年2月21日発表
主査:増淵勝彦 総括:飯塚信夫
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代表的な景気指標である鉱工業生産指数が昨年12月で4ヵ月連続でマイナスになったことなどから、足元の景気に関して悲観的な見方が強まっている。しかし、景気は一時的な調整局面と判断できる。@足元の景気関連指標は悲観一色ではなく、例えば景気に先行して動くとされる新規求人数が緩やかに増加を続けている、A輸出が一時の減速から伸びを加速させている、B設備投資の先行指標である機械受注が底堅い――ためである。
対イラク戦争が短期間で終結することを前提とすれば、米国経済は年2%台の緩やかな成長が続き、2003年度の日本経済も輸出依存型ながら緩やかな成長を続けることができよう。その結果、日本の輸出も堅調な動きを続ける。設備投資も企業収益の回復を受け、増加基調となる。在庫率(出荷と在庫の比率)がかなり低い水準にあることから、今春以降、需要の回復が明確になれば、足元で低迷している生産活動も回復に転じる。デフレ傾向が続くが、GDPギャップがほぼ横ばいにとどまることで、物価下落幅の一段の拡大は避けられる。
一方、2003年度を通してみれば、個人消費は0.3%増にとどまり、これまでのような大きな寄与は期待できない。企業のリストラ努力が続き、雇用・所得環境は依然として厳しいためだ。失業率は高止まりする。
よって、今後の成長は足元で回復しつつある企業収益と設備投資が堅調さを維持することが支えとなる。企業の収益力や期待成長率の向上が重要であり、不良債権の最終処理も、失業というコストを甘受して進めざるを得ない。小泉内閣の「金融再生プログラム」に沿った形で主要行が不良債権処理を進めると、年度平均で約22万人の離職者が追加的に発生する。ワークシェアリングを含め「雇用の安全網」として考えうるあらゆる政策手段を動員すべきである。
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予測の概要(PDF,10KB)
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説明会資料全文 (PDF,571KB)
報告書 総論 (PDF,4.3MB)
報告書 総括表・付表 (PDF,574KB)
〔目次〕
T 総論
第1章 概括
1.2002 年10−12月期GDPは前期比0.5%増
2.足元の調整は一時的
3.堅調な輸出に支えられ、今後も景気回復が続く
4.個人消費には多くを期待できず
5.厳しさが続く雇用・所得環境
6.2003年度の日本経済
7.不良債権の最終処理とあわせて雇用対策の拡充を
8.残存する下方リスク
9.計量モデル:経済環境変化と政策変更に関する乗数効果
10.DI、景気循環、潜在成長率
第2章 世界経済、対外活動の動向
1.米国経済
2.欧州、アジア経済
3.世界輸入、輸出入、国際収支
第3章 金融、マーケットの動向
1.為替レート、原油価格
2.金融、株価
3.物価
第4章 国内経済の動向
1.雇用、賃金
2.民間最終消費支出
3.民間住宅投資、地価
4.企業収益、企業の構造調整
5.鉱工業生産活動、民間在庫品増加
6.民間企業設備投資
第5章 財政
1.財政、財政投融資
2.公的需要
3.国民所得(分配)、貯蓄投資バランス
第6章 経済構造分析
1.日本、米国、東アジア(除く日本)の貿易連関の分析
2.消費性向の決定要因の分析
3.主要行の不良債権最終処理の影響試算
4.ワークシェアリングの経済分析
U 総括表
1.2001−2003年度の日本経済
2.〔四半期別〕国内総支出(1995年価格)<実質>
3. <名目>
4. <デフレーター>(原系列)
5.〔年度別〕国内総支出(1995年価格)<実質>
6.<名目>
7.<デフレーター>(原系列)
8.〔暦年別〕国内総支出(1995年価格)<実質>
9.<名目>
10.<デフレーター>(原系列)
11.〔半期別〕国内総支出(1995年価格)<実質>
12.<名目>
13.〔四半期別〕実質国内総支出の寄与度(前期比)と内外需の動き
14.〔年度別〕実質国内総支出の寄与度(前期比)と内外需の動き
15.〔暦年別〕実質国内総支出の寄与度(前期比)と内外需の動き
16.国際収支表
V 付表
(1)米国経済総括表
(2)米国主要経済指標
(3)EU・アジア経済成長率の前提値
(4)世界輸入(季節調整済み)
(5)金融、為替、原油
(6)物価指数
(7)雇用・賃金総括表
(8)新設住宅着工総括表
(9)生産活動・企業収益
(10)制度部門別貯蓄投資差額
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この件に関するお問い合わせは経済分析部(tel:03-3639-2832、fax:03-3639-2838)までお願いいたします。
http://www.jcer.or.jp/research/tanki/tanki116-3.html