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「ここへ来て、まさにすさまじいばかりの“西川バッシング”の嵐が吹き荒れている。もはや個人攻撃の域を越えてしまったと言っていいだろう。このヒステリックなまでの西川攻撃の狙いがどこにあるのか、その背景事情に目をこらす必要があるだろう」
米系大手証券会社役員がこう指摘する。
ここで改めて指摘するまでもないと思うが、このコメントに登場する“西川”とは、三井住友フィナンシャルグループ(三井住友FG)の西川善文社長のことを指す。ここ最近マスコミの紙誌面をにぎわした“西川バッシング”の主だったところを挙げてみると、とりあえず以下のようなラインナップが並ぶ。
『三井住友「ご乱心」増資』(「選択」3月号、3月1日発行)
『竹中平蔵・三井住友西川頭取・外資ゴールドマンサックス会長極秘三者密談』(「週刊文春」3月13日号、3月6日発売)
この2本の記事に関して言えば、いずれも三井住友FGが決定した総額4500億円に対する増資計画に対して徹底的な批判を加えているという点で共通している。
この増資計画に関して言えば、4500億円のうち1500億円を米系大手投資銀行、ゴールドマンサックス社(GS社)が直接引き受けることに加えて、残りの3000億円についてもGS社がその発行スキーム策定にあたって主導的な役割を果たしたことに加え、実際の売り出しにあたっても同社が単独の事務幹事社を務めるなど全面的に関与していく方向だ。
「こうした一連の状況から考えても、三井住友FGとGS社は、単なるビジネスベースを越えた特別な“関係”がある、という指摘がマーケットには根強く流れているのです。巨額増資を実施するにあたって、なぜ三井住友FGは−−というよりも西川社長はGS社を“パートナー”に選んだのか、なぜGS社でなければダメだったのか。その辺りの事情がいまひとつ判然としない、というのがマーケットの見方なのです。しかも一連の増資に関与したことで、GS社は莫大なメリットを獲得した。ということはマーケットではもはや常識と化しつつあるのが実情です」(メガバンク首脳)
一方、三井住友FGにおいて一連の増資計画を策定、実行するにあたって主導的な役割を演じたのは、間違いなく西川社長だった。
「西川社長は、昨年来米国のGS本社に直接乗り込み、自ら交渉をまとめあげてきたとされます。このため、一連の増資プランにある種の“疑惑”が生じているということは、ストレートな形で西川社長批判に直結してしまうことになるのです」(メガバンク役員)
別の大手銀行幹部が言う。
「2〜3週間程度前のことです。三井住友FGの増資をGS社が引き受けるにあたって、竹中平蔵金融担当大臣が深く関与した、という噂まで流れていたのです−−」
そしてこの“噂”の事実関係を検証したのが、先に紹介した週刊文春の記事だ。しかしこの記事を読む限りではそうした“噂”が事実であるかどうかについては、依然として不透明な状況にあると言えるだろう。
また今回の三井住友FGの増資に対して、金融庁が相当な不快感を持っているという指摘も根強くあるが、筆者が取材したところではそうした“情報”は事実誤認に近いというのが率直な感想だ。
それというのも、三井住友FGは今回の増資計画を策定するにあたって、金融庁サイドと綿密な打ち合わせを行ってはいるが、金融庁サイドから具体的な形でクレームがついた形跡が無いからだ。
とはいえ注目すべきなのは、こうした三井住友FGに関する一連のネガティブ情報の大部分が、マーケット発であるという点だ。
いずれにしても一連の“西川バッシング”は、いまだに収まりそうな気配はない。
今後の展開には要注目だ。
2003/3/6