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日本マクドナルドホールディングスの藤田田会長が、会社の一切の役職から退くことになったが、この突然の引退に業界関係者などからは驚きや疑問の声があがった。
5日行われた退任発表の記者会見は本人不在で、八木康行社長が藤田氏の意向を代弁。会長不在の理由を聞かれると「他人には常に前向きな姿を見せたい人なので」と言葉を濁した。一代で大企業を築いた創業者としては、異例の引退劇となった。
日本マクドナルドは、ハンバーガーの価格戦略で迷走し、成長神話に陰りが出ている。消費者ニーズの把握に自信をなくしたのが退任理由か、との問いに八木社長は「全く違う。藤田会長は『バーガービジネスはまだまだ成長産業で、それを達成するのが責務』と話している」と語った。
しかし、業界では今回の引退に疑問をもつ関係者は少なくない。
「今月13日で77歳の喜寿を迎える藤田会長は、確かに年齢的には“卒業“といっていいかもしれませんが、体力、気力はまったく衰えていないと聞いています。一昨年、社長の座を八木さんに譲りましたが、会長として経営判断の大きなところは直接かかわってきている。順風できたマックもこれからが勝負どころ。なぜいま、この時期に引退なのかわかりません」
2001年の12月、社長を退任して会長になるときの会見で藤田氏は、「安ければ売れる時代は終わった。経営環境は楽観を許さない状況にあり、これからもCEO(経営最高責任者)として自ら戦略を立てていく」とこうきっぱりと述べている。
しかしその後、値上げ戦略の失敗と値下げへの軌道修正などカリスマ経営者の神話が崩れた。2002年12月期の決算では最終損益で29年ぶりの赤字となった。この業績悪化との関連についても「全くない」(八木社長)と強調。それどころか、「藤田個人として、経営を助けてくれることになっている」という。
会長退任発表の席に、自らが不在だったことにも「本当の理由」がいまひとつ不透明であることが表れている。八木社長はその点を聞かれると、「他人には常に前向きな姿を見せたい人なので…」と言葉を濁すだけだった。
親会社の米マクドナルドとの関係が厳しくなってのひとつの結果ではないのかと“推測“するライバル社幹部もいる。
マックの発行済み株式の保有比率は米本社グループが50%、藤田家が約26%で、その他日本側を合わせると50%となる。
「藤田さんの交渉力もあって、これまで日米で発言権は平等でした。ただ、米側と藤田商店の間には株主間契約がある。藤田さんが経営から退いた場合、米側が保有株式割合を50%超とすることを保証する、というような内容です。長男で取締役の元さんも退任するというのですから、これとの関わりがあるのかもしれませんね」(ライバル社幹部)
日本で外食産業が生まれて31年余り。「リーダー的な経営者の経験も通用しなくなるほど、状況が変わりつつある」(外食大手首脳)なかでまた、1人のカリスマ経営者が去った。マックの第二の前途は相当に厳しいものがあるといえそうだ。