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　５日に開幕した中国の第十期全国人民代表大会（全人代＝国会）第１回会議の政府活動報告で、朱鎔基首相は、今年７％前後の経済成長を目指す方針を表明した。しかし、同時に、不動産バブルや、鉄鋼、自動車産業で野放図な生産・投資の拡大が見られるとして、供給過剰に歯止めをかける意向を示した。

　世界から企業の生産拠点が移転し、「世界の工場」といわれる中国だが、生産を過熱させず安定的に高い成長を維持するには、巧みな手綱さばきが求められそうだ。

　朱鎔基首相は報告のなかで、今年の経済成長目標「７％前後」を達成するための手段として、＜１＞内需拡大＜２＞積極財政＜３＞安定的な通貨政策――の３つを挙げた。特に積極財政に関しては１４００億元（約２兆１０００億円）の建設国債の発行を表明した。中国政府は２０００年から２００２年まで、毎年、１５００億元の建設国債を発行して、公共投資で経済成長を下支えしており、今年もこの方針を貫く。

　中国政府が成長路線にこだわるのは、人口１３億人を抱える巨大国家であり、当面は毎年５００万人規模の雇用を創出していかなければ、不況に陥る可能性が高いからだ。国有企業のリストラなどで都市部の失業者は昨年末で７７０万人に達しており、経済成長による雇用創出は不可欠だ。

　一方、朱首相は、「一部の地方で不動産投資の伸びがあまりにも過熱している」などと述べ、上海など沿岸都市部に見られる不動産価格の高騰と、不動産開発の過熱化に強い懸念を示した。

　さらに、「鉄鋼、自動車、建材などの業種の発展計画を調整し、野放図な発展と無秩序な競争を防ぐ」と述べて、供給過剰の兆しが見える鉄鋼産業などへの抑制策を打ち出す構えを示した。

　特に中国の鉄鋼生産は急激な伸びを見せており、中国の２００２年の粗鋼生産は前年比２０・３％増の１億８１５５万トンと、１国の年間生産高として史上最高を記録した。鉄鋼は世界的に供給過剰で、経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）を中心に生産設備の削減計画が進んでいる。そうした状況下で、中国の鉄鋼業は設備増強と供給拡大を続けており、政府が強い懸念を示したものとみられる。

　さらに、自動車も海外メーカーが相次いで中国市場に進出し、供給過剰の兆候があらわれている。ただ、中国政府による自動車生産の抑制策が本格的に実施されれば、トヨタなど中国で工場建設計画を進めている日本メーカーにも影響が出そうだ。（北京・東　一真）

(2003/3/5/21:34　読売新聞　無断転載禁止)

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• 中国２００３年予算、財政赤字が過去最大に　［読売新聞］ あっしら 2003/3/06 14:33:19 (0)

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