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過ぎたるは猶及ばざるが如し(孔子)
政治の世界は争いが激しすぎるのも、無気力すぎるのも、ともに危険である。今、日本の政治は無気力病にかかっている。激動期に役に立たない活力なき政治は無意味だ。今の政界はベタ凪状態。
原因は(1)総選挙が9月総裁選後になる空気が生まれ、緊張感が薄れたこと、(2)内閣改造近しの噂で入閣待望者が増え、小泉批判が沈静化したこと、(3)民主党に活力がないこと、(4)イラク情勢の緊迫化で政界全体が立ちくすんでしまったこと、(5)統一地方選の結果待ち――などだ。
それにしても、歴史の大転換期に政界が無気力すぎるのは看過できないことだ。小泉首相を批判し、ブッシュ政権に注文をつける勇気ある政治家が亀井静香前政調会長一人という状況は異常である。政党指導者に旺盛な政治論争を起こす勇気を求めたい。
利して利する勿れ(周公旦)
政治家は人民の利益のみを考え、自分の利益をはかってはならない、の意。
政治家が自己の利益ばかり考えるようになったら日本は危ない。国会議員が、選挙が怖いから早期の解散・総選挙を避けたい、だから小泉内閣批判も控えめに、というのであれば本末転倒だ。内閣改造風が吹いたら、自民党内がとたんにおとなしくなってしまったとすれば由々しきことだ。
イラク問題にしても平和を叫べば米国政府からにらまれる――これを恐れて口をつぐんでしまっている政治家は少なくない。結果として一部の好戦主義者だけが目立つ。
第二次大戦後の日本は、平和主義、日米協調、国連中心主義、アジア諸国との友好、軽武装を原則にして生きてきた。この生き方を維持するか、変えるかの問題は真剣に論争すべき事柄である。
一利を興すは一害を除くに若かず(耶律楚材)
同時に経済論争を起こせ。日本経済を危機に陥れている最大の元凶は、小泉・竹中財政金融政策だ。このままでは日本経済は危ない。小泉内閣に代わる成長重視政権をつくるか、小泉内閣に政策転換させるか――このいずれかの手段をとることが必要だ。破滅を防ぐためには、少なくとも竹中プランという一害を除去すべきである。
【以上は3月4日配信の「コメントライナー」(時事通信社発行)に掲載された私の小論です】