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政府税制調査会(首相の諮問機関)の基礎問題小委員会・非営利法人課税ワーキング・グループ(座長=水野忠恒・一橋大教授)は4日、公益法人とNPO法人(特定非営利活動法人)、中間法人を「非営利法人」に統合し、原則は課税する案をまとめた。
例外で非課税を認める条件に「社会貢献性」「内部留保の制限」などを盛り込んだが、条件の内容があいまいな上、原則課税は「NPO法人の活動を阻害する」など抵抗も強く、18日に予定される政府税調総会での取りまとめまでには曲折がありそうだ。
政府の行政改革推進事務局は、月内に公益法人制度の改革大綱をまとめ、財団法人や社団法人などの公益法人、NPO法人、同窓会やPTAなどの中間法人の3つを「非営利法人」とする。法人の設立を、国や都道府県による「許可」から、条件さえ満たせば、登記だけで済む「届け出」制に変更する。
それに伴い、原則は非課税だった公益法人とNPO法人、課税が原則の中間法人の税制上の扱いを調整する必要があり、政府税調で議論を進めてきた。
現行税制は、企業などの営利法人は基本税率30%の法人税が課せられるが、公益法人などは原則を非課税としながら、物品の販売など法人税法に掲げた33の収益事業だけを対象に、22%の軽減税率が適用されている。財務省によると、公益法人だけでも約2万6000団体があり、課税の変更の内容次第で、法人税収に大きな影響を与える。
◆例外非課税扱いも◆
4日の会合では、水野座長と財務省による素案を委員が大筋で了承した。素案では、3法人を統合した非営利法人の所得は、原則課税とするが、〈1〉社会貢献性がある〈2〉内部留保を一定水準以下に制限〈3〉利益配分は禁じ、解散で生じた残った財産は主に国に帰属させる〈4〉会計帳簿などの情報公開を徹底する――の4条件を満たした「登録法人」などには、例外的に非課税扱いも認めるとした。
登録法人でも、収益を生む事業は、引き続き課税対象とし、「内部留保金」も課税対象にする。一方で、国税庁が認定した「寄付金優遇法人」になれば、登録法人よりもさらに優遇し、寄付金の控除も認める方向だ。政府税調は、2005年度の実現を目指す。
◆公益事業は非課税にと抵抗の声も◆
だが、この案には関係者などからの不満も多い。これまでは原則非課税だった公益法人、NPO法人を原則課税に転換すること自体に反発する声がある。
現在、法律で定めた33事業の「収益事業」についても、事業を限定せずに広く課税対象にしようという意見がある一方、「社会的に貢献する公益的事業は非課税とすべきだ」などと抵抗する意見も根強い。
一方で、現在、公益法人とNPO法人だけに認められている寄付金控除などの優遇措置が、新制度では中間法人などにも初めて認められる。ただし、寄付金優遇法人になるのにも、登録法人になるのにも、厳しい条件をクリアする必要があり、しかも、その条件の内容が詰まっていないのが現状だ。各法人に対する実際の判断は、税務当局か、第三者機関が行う見通しだが、どこまで、条件が明確になり、透明性がある認定が行われるかどうかは現時点では不透明で、対応に戸惑う法人も多い。(舟槻 格致)
(2003/3/5/00:40 読売新聞 無断転載禁止)