★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産23 > 113.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
自動車業界における暴利の時代はいつ終わるのか:経済日報 汽車天地周刊 李会 [中国経済新論]
http://www.asyura.com/2003/hasan23/msg/113.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 04 日 18:16:00:


経済日報 汽車天地周刊 李会

「暴利」は中国の自動車業界の一貫した合言葉であった。しかし、中国人民銀行の商品価格指数によると、2002年、中国の自動車価格は全体で5.6%の値下げを記録した。2003年に入ってからも、中国の自動車業界全体での「値下げ」の動きは衰えを見せていない。

新年早々、「紅旗明仕U」はまず1.08万元の値下げを発表した。その下げ幅は6.4%にも達している。これに追随する形で、長豊パジェロ、昌河北斗星、富康、長安スズキも値下げに踏み切り、年明け後のわずか10日間で値下げを行った新しい自動車のモデルは10以上を数えた。

しかし、値下げのピークは実はその直後に訪れた。1月15日、広州本田の新しいアコードは、消費者の期待と自動車業界の注目の中で出荷された。販売価格は25.98万元で、従来のアコードセダンより4万元も値下げされている。これは、競争相手を驚かせたばかりではなく、中国国内の中級・高級乗用車の価格の厚い壁に動揺を与えた。

中国で自動車の価格があまりにも高いことは、誰の目にも明らかである。そのため、「暴利」は中国の自動車業界の一貫した合言葉となっている。高い価格は高い利潤を意味し、国際市場での利潤率5%に対して、中国の自動車業界では20〜30%と、その高い利潤は非常に不思議なものであった。しかし、WTO加盟を果たした2002年の自動車価格の下落、そして新年早々の価格戦争に象徴されているように、中国の自動車業界はいよいよ暴利の時代の終焉を迎えようとしているのである。

価格戦争は到来するのか

中国自動車業界の「暴利」に対して、消費者が最も待ち望んでいるのは価格戦争にほかならない。しかし、価格戦争は今年、本当に勃発するのであろうか。

昨年、価格戦争は最も注目を集め、メディアでも広く取り上げられていたが、実際のところ、価格の下げ幅はほんの小さなものに留まった。

中国人民銀行の商品価格指数によると、2001年11月から2002年12月にかけて中国の自動車価格は全体で5.6%しか下がらなかった。その一方で、2002年の国内自動車業界が「驚異的な好景気」にあったのは、これまでたまった需要が顕在化した結果であるとの認識が広まっていた。つまり、長年抑制されていた需要が一気に爆発したことは、自動車業界の価格体系を支えていたのである。

しかし、今年の状況は少し違う。2002年には、良好なマクロ経済状況と自動車の消費環境のより一層の改善を背景に、自動車業界はブームを迎え、自動車メーカーの生産意欲を刺激した。それと同時に、自動車業界における海外の巨大メーカーが相次いで中国市場に参入し、積極的な姿勢を見せていた中、業界の再編が進んでいった。このような各メーカーの生産能力の拡大、そして新しいメーカーの相次ぐ参入に伴い、需要が供給を上回るという局面はもはや存在せず、生産量拡大による影響は今年こそ顕在化するであろう。

国家情報センターの予測によると、2003年の全国の自動車需要量は380万台であり、その中で143.5万台とされている国産の乗用車に対する需要は、昨年より26.4%も拡大するだろう。各自動車メーカーは、生産量拡大に対して楽観的な見方をしている。例えば、広州本田と上海奇瑞は生産量の倍増を、海南MAZDAは90%の増産をそれぞれ計画している。上海フォルクスワーゲンがまもなく生産を開始するGOLも、10万台の生産量を予定している。業界関係者の概算によると、今年、全国の乗用車(SUV、MPVを含む)の供給能力は200万台にも達し、市場の需要を大幅に上回るであろう。

生産量の増大により供給が需要を上回るようになれば、最終的には価格の低下がもたらされるであろう。業界関係者は、2003年には中国の自動車価格は本格的に下がるだろうと予測している。現在の状況を見る限り、中国の自動車市場における激しい価格競争は避けられず、価格戦争は必至であるとの見方が広がっている。

実際、WTO加盟後に中国の自動車価格が徐々に下落していることは、避けられない大きな流れである。市場の開放と発展に伴い、競争相手がますます多くなり、自動車の価格戦争ももはや時間の問題かもしれない。市場価格は、あくまでも消費者とメーカーの間で繰り広げられている一種のゲームの結果に過ぎない。目に見える値下げにしても、「値下げは実施しないが、品質の向上を図る」にしても、消費者が実質上、恩恵を受けることになるのである。メーカーにとって、消費者に対する利益の提供は自分の利益の減少を意味し、中国の自動車業界がひたすら「暴利」を享受する時代はそろそろ終焉を迎えるであろう。

なぜ暴利が生まれたのか

では、一体なぜ中国の自動車業界に「暴利」が生まれたのであろうか。その答えとして三つほど考えられる。一つ目は長期にわたる関税障壁の存在、二つ目は政府の市場参入に関する規制政策、三つ目は抑圧的な需給政策である。

中国の自動車業界は長い間、一貫して産業政策の保護下に置かれていた。高い関税を課したり、対外開放を拒んで国内独占を支持した結果、中国と世界市場とのつながりが完全に断たれていた。また、無駄な二重投資を防ぐために新規参入が厳しく制限され、市場競争を弱体化させていた。さらに、役所での公用車の需給に合わせて生産量を決める政策は、中国の自動車市場が拡大するチャンスを奪っていたのである。

幸いなことに、WTO加盟の実現に伴い、こうした状況は大いに改善されている。関税の引き下げは、競争の衝撃と圧力を与えた結果、各メーカーは相次いで値下げに踏み切った。また、市場参入に関する規制緩和により、吉利、華晨などの新興勢力がその頭角を現している。そして、各種の自動車税の調整、自動車保険や融資の導入などで自動車市場が一気に拡大し、中国は個人が自動車を所用する時代へと早々に突入したのである。

今年はさらに大きな値下げが期待できるであろう。有力筋によると、今年、『自動車消費政策』や『自動車産業投資管理に関する規定』を始めとする四つの政策の実施が予定されている。適切な経済環境は市場拡大の展望を開き、一層激しくなる競争の中、メーカーとしても市場のルールを厳格に守り、消費者のニーズにより一層の注意を払い、利潤率を犠牲にしても市場シェアを獲得することが求められている。

暴利の時代はいつ終わるのか

中国の自動車業界が暴利の時代から平均的な利潤水準へと回帰していることを最も実感できるのは、海外の自動車メーカーである。

2002年11月、第7回アジア太平洋地域自動車業界ラウンドテーブル会議で独フォルクスワーゲン社のアジア太平洋地域総裁であるBernd Leissner氏は、中国における自動車の新型モデルの生産周期が短くなることで自動車メーカーのコストが増加し、投資収益が逆に減少したと不満げに語っていた。米国のマッキンゼー社も昨年7月、一層激化している競争と暴利の時代の終焉に伴い、海外の自動車メーカーが積極的に中国に生産工場を設け、生産を拡大させることは決して合理的ではないと警告している。

国内の自動車メーカーにとっても利潤率の低下は避けられない。2002年、広州本田の販売量は59000台であり、販売収入は137.32億元に達しており、税前利益は50億元であった。これに対し、2003年の生産量は11万台、販売収入は206億元になる見込みではあるが、税前利益は52億元に留まると予想されている。では、なぜ生産量が倍になり、販売収入も50%も上昇するのに、税前利益が2億元しか増加しないのであろうか。社長である門脇轟二氏は、「広州本田は国産率の高度化によってコストダウンを図っているが、その利潤を消費者に還元しようと考えており、しかもそれは中国の自動車業界が国際競争にさらされることによる当然の結果である」と述べている。

中国の自動車業界において、暴利の時代はいつ終わるのか、確な時期を提示することは難しい。しかし、他の業界の平均的な利潤水準へと徐々に移行していくことは、良い競争が生まれ、そして発展するきっかけとなるであろう。利潤率の下落は、体力の弱い中国の自動車メーカーにとっては残酷であるが、開放による競争の中でのみ企業は鍛えられ、世界の企業と肩を並べるほどの競争力を身に付けることに奮起し、WTO加盟後の新たな挑戦に直面することができるであろう。

(出所)経済日報 汽車天地周刊
※和文の掲載にあたり経済日報の許可を頂いている。

2003年2月24日掲載


 次へ  前へ

国家破産23掲示板へ



フォローアップ:



 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。