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http://www.esri.cao.go.jp/jp/forum1/030220/gaiyo12.html
より抜粋
2.岡田靖氏(インフレ目標賛成)
(1) 現状認識:デフレが続くことで、財政は破局的な事態となる。今の毎年の財政赤字30〜35兆円のうち、2/3はデフレによるものと考えられる。たとえ1%のデフレであっても、長期的に続けば年金保険などに対し破壊的な影響を与える。デフレ阻止についてコンセンサスが得られない理由の一つは、雇用の保証された高所得者にとっては、物価が下がる一方で名目賃金は下がらず、減税の恩恵も受けられるので、実質所得が大幅に増加し、快適な状態だからである。その一方で、失業率は実質的に10%、若年層は公表値でも10%という惨状にある。
(2) 具体的なインフレ目標:消費者物価を2-4%とする。実現するためにはコミットメントの担保が必要である。「効果がない」と言いながら実施するのはデフレにコミットメントしているようなものだ。日銀は2年前に、国内の反対や世界的な傾向に反して利上げを行ったが、こうしたことが今後ないようにするためにも、金融政策を法律で縛るべき。なお、インフレ目標政策が相対価格に悪影響を与えることはない。むしろ、デフレこそ相対価格の本来の変化を抑制し、市場機能を阻害している。
(3) インフレ目標のための手段:インフレ目標を達成するまで、600兆円発行されている国債を日銀が無条件で買い付けることを提案する。もしも物価が上がらず、需要の増加が起こらないようなら、600兆円を全部買い切ればよい。現在日銀は毎月1.2兆円購入しているが、それを5兆円に増やす。国債の買い切りでは、日銀の利息収入は政府に還元されるので、政府の金利負担はなくなり、また、借り換えを続ければ事実上の償却と同じになる。
(4) インフレの必要性:昨年末の現金残高は70兆円と史上最高であったが、これはデフレ予想が強いために生じている。デフレ期待がなくなれば、現金などの低リスク低リターンの資産を持つことにロスが生じ、リスク資産への大規模なシフトが起こるはずである。
(5) 財政によるデフレ対策について:仮に失業率が現在の5.5%から3%になるまで、財政出動によってデフレ脱却を図るには、日本ではGDP1%に対して失業率は0.1〜0.2%しか反応しないため、63兆円以上の財政支出が必要となり、これを3年続ければ財政は破綻する。したがって、財政に期待することはできない。
(6) 有効な対策を採らない場合:名目金利が名目成長率より高い状態があと5年続くと、財政が破綻し、ハイパー・インフレになる。
(7) 戦前の高橋財政:今言われているようなデフレ対策への批判は70年前の高橋財政の時代にもあった([資料参照](PDF-format; 22KB))が、すべて間違いであった。大恐慌後、日米ともに銀行貸出はまったく出ていないが、デフレから回復した。また、ゼロ金利でないから金利機能が働いて回復したわけではなく、貸出金利(証書貸付金利)は昭和7年以降二二六事件まで1%も低下していない。