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再上場を目指して貸し剥がしと貸し渋りに拍車をかける新生銀行
国に債権を買い取らせる悪名高き「瑕疵(かし)担保条項」を駆使し、強引な債権回収に走ってきた新生銀行(旧日本長期信用銀行)。この特約が28日をもって期限が切れた。“伝家の宝刀”が行使できなくなった今、年内での株式再上場という野望を実現するため今後、厳しい貸し剥(は)がしと貸し渋りに拍車がかかるとみられる。外資系でドライな「新生銀発の倒産」は新年度も続きそうだ。
瑕疵担保条項は、一時国有化された旧長銀と旧日債銀(現あおぞら銀行)に与えられた特権。貸し出し先の債権が簿価より2割以上目減りした場合、国(預金保険機構)に買い取りを求めることができる権利である。
新生銀はこれを最大限に活用し、そごうに加えてマイカル、第一ホテル、ファーストクレジット、宝幸水産…などの破綻(はたん)劇を演出してきた。
新生銀が発足した3年前から2月末まで、国に買い取らせた額は約1兆円にも達する。
そのおかげで、新生銀は国有化回避で資本増強に躍起のメガバンクがうらやむほどのスピードで不良債権処理を加速させてきた経緯がある。
当初約20%もあった貸し出し債権に占める不良債権比率の割合は、いまやひとケタ台に落ち、再上場の条件である3−5%まで後一歩のところまでこぎつけつつある。
事実、新生銀の八城政基社長は28日付朝日新聞の取材で、「不良債権比率は目標の5%までには届かないが、7%程度まで減少した」とし、「年内には上場したい」と明かしている。
是が非でも再上場を果たし、1兆円規模ともいわれる巨額の上場益を得る腹積もりのようだ。
そうなると、瑕疵担保条項が行使できなくなったいま、不良債権比率を下げるためには今後、取引先企業に対し、さらなる貸し剥がしと貸し渋りが予想される。
次々と大型倒産の引き金を引いて世間の批判を浴びながら、あざ笑うかのようなドライ手法には舌を巻くしかない。
朝日新聞によると、八城社長はその外資流の手法について、「リスクに見合った金利を取ろうとしたら、『貸しはがし』の批判を浴び、日本は理屈が通らないと思った」と公言している。
「私の年収は4400万円だが、それより高額をもらっている行員が10人以上いる」などとも語っている。
ドライなのかズレているのか。国が買い取った新生銀の債権の原資は我らの血税。あこぎなやり口には、ただやり切れなさが残るばかりだ。