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結局米国はイラク攻撃について「国際社会に残された期間は少なくなった」としている。国連へスペインイギリスと伴に最終決議案を提出した。そうすると開戦のXデーは3月10日から15日頃か。私もまだ、100%攻撃ありと思っていないが、最後はフランスも地中海に空母を派遣するくらいですから拒否権は行使せず、不条理な暴挙は始まってしまうと考えるのが自然だ。サウジアラビアも空軍基地の米軍貸与認めたのが本当なら、かなり確率は高くなった。
株式市場でも完全に戦争開始は織り込んでいないかもしれない。ウォール街は、イラク攻撃懸念が見えれば売りに走り、それが否定されると買い戻す状況である。揺れる市場心理はいかにイラク問題に敏感かをうかがわせる。しかし、3月初めにも米軍の湾岸展開が完了するようである。私は攻撃が行われる前提で為替株式世界経済を予測してみたい。
戦争が始まれば、短期で終結することは間違い無い。泥沼には絶対ならない。周辺アラブ諸国がアラブの大義で、戦争開始後一斉蜂起でも起こらない限りは、短期終結でしょう。米国は対イラク戦ではアフガン戦を大幅に上回るIT兵器を使用すると言われ、恐らく短期間でイラク問題は収束するとの見方が強い。
戦争音痴の日本のマスコミが心配するベトナム戦争のような泥沼化は、有り得ない。補給をする国がない。戦前の大日本帝国陸海軍も、絶望的補給が無い中でよく善戦した方だが、補給がなければいかに屈強な軍隊も戦争継続は不可能だ。
ただ戦争は短気で終結するだろうが、米国に対するテロは止まなくかえって悪化するに違いない。
NYの地下鉄は次のテロが起きそうで恐くて乗れない。戦争終結しても米国のテロの驚異は払拭できないだけか、フセイン後のイラク及び中東地域の地政学的リスクはくすぶり続けるでしょう。
年後半の米景気拡大は間違いないとの見方がある一方で、万が一イラク軍が善戦して、石油施設の破壊に成功したり、予想以上の米軍の人的被害が発生した場合。
最悪のケースで戦闘が長引けば原油価格の上昇と共に再び景気後退に陥るとの見方も強い。
いずれにしても、イラク戦後には世界的にデフレのリスクが強まり、米欧諸国でも日本と同様、デフレに陥る国が出よう。各国ともリフレーション政策が実施され、自国通貨安競争が予想される。そうなった場合、日本の円安政策は失敗に終る可能性もある。
このような状況で開かれたG7の共同声明では、ある程度の協調を確認したものの、その具体策は欠いたものとなった。対イラク武力行使で米英対仏独の溝が埋まらず、開戦を前提とした議論に踏み込みにくかったからである。市場に安心感を与えるためマクロ経済の強さは強調したものの、石油価格高騰など市場混乱時の対応策は不透明であった。G7財務相会議で、日本はデフレ先輩国としての経験を踏まえて、金融政策が効かなくなるデフレの怖さについて米欧にも警鐘を鳴らそうとしたが、デフレ回避に自信を示す米欧との認識のズレが目立つ結果となってしまった。塩爺も中国のデフレ問題人民元の世界経済に与える害悪を強調したが、問題にされなかった。
今回のG7で欧州各国はデフレ回避に自信を示しているものの、世界経済は今後も予想以上に低迷し、世界的にデフレのリスクは間違いなく強まる。米国だけでなく各国において金融・財政面で予想以上のリフレーション政策が実施されることになろうなるのではなかろうか。
世界経済のけん引役である米国は2001年、2002年と景気刺激型の金融・財政政策をとってきたが、今後その傾向がさらに強まっていこう。すでに財政面では赤字の兆候が強まり、デフレ日本と同じ動きとなり始めてきた。そこでデフレ回避策として、FRBは早ければ今年前半追加利下げに踏み切らねばならないであろう。
そして欧州中央銀行は年内に政策金利を2.75%から2.0%に引き下げるとの予想もある、ユーロ高が進めばより大幅な利下げもあり得よう。ECBが独連銀から継承した2.0%以下のインフレ目標を、今年後半に1.0〜3.0%か1.0〜4.0%という現実に即したレベルに設定し直せば、利下げもしやすくなる。
G7では米スノー財務長官は「ドル高は国益にかなう」という発言をしたと言われている。真偽のほどは定かではないが、経常赤字が続く中でのドル安政策にも限界があることは確かである。しかし、世界的なリフレ競争が続く中で、各国が自国通貨を競って引き下げる通貨安政策に突入する状況下、日本は円安政策を放棄したように思える日銀総裁人事を断行してしまった。安易に円安・ドル高政策が続けられるわけがない。
米国政府としても、海外投資家が尻込みするほどドルが急落して、GDP比5.0%以上に上る巨額の経常赤字の手当に支障が出ては困る。巨額な経常赤字の自律的調整やドル資産に対する海外投資家の人気離散、さらには来年11月の大統領選を前に景気浮揚を目論むブッシュ政権が、クリントン前政権から継承したドル高政策を放棄することも考えられる。
そうなると一気にドル安へと進み、日本の反応が注目される。一段の円高・ドル安となれば日本経済が景気後退に逆戻りし、昨年やや軽減したデフレ圧力が再び高まるとの懸念が台頭する。また、ドル連動制となっている中国人民元も下落し、日本の物価に一段と下押し圧力が加わろう。日本政府が本格的な銀行制度の改革と信頼性のあるインフレ目標を同時に追求して大幅な円安になることが望ましく、これが日本にとっては重要な政策目標になる。ドル安が進めば、日本はインフレ目標の導入は避けて通れないであろう。少なくとも過去の例をみる限り、日本が円安政策に走れば、韓国や台湾も通貨の切り下げで追随するであろう。ドル投資はイラク戦の動きをみてから慎重に行うことを心がけるべきである。
これは、日本にとって大問題だ、福井日銀総裁の人事で円安の選択肢を捨てたかんじもある。再び円安によってデフレを克服しようという考えても、手後れになる可能性がでてきた。
各国とも金融・財政政策の大幅な緩和に加えて、自国通貨を競って引き下げようという政策に突入する危険性が生まれてきた中で、日本の円安政策及び中途半端なインフレ政策は失敗するでしょうね。ドルはすでに対ユーロを中心に大きく反落した。ドル安は輸入品の価格を押し上げ、苦境にあった米産業部門が価格支配力をわずかながら取り戻しつつある。ドル高は、米経済のアキレス腱となっている企業収益を伸び悩ます原因であったため、足元のドル安は米政権にとっては歓迎すべきことであろかもしれない。
世界的にデフレリスクが高まり、金融・財政面で予想以上のリフレーション政策が実施されようとしている中で、米国経済は軍需への依存を急速に強めている。軍需費の拡大が財政悪化の大きな要因となってはいるが、停滞する国内需要を政府が下支えする格好が鮮明になりつつある。テロ対応と対イラク戦争の準備から、2002年の国防支出は前年比9.3%増と35年ぶりの高い伸びとなっている。米国のGDP統計によると、政府の実質国防支出は同時テロ後の2001年10〜12月期から増加し、アフガニスタンでの対テロ防止策、イラク攻撃に備えた専用機やミサイルの調達などにより、2002年10〜12月期の支出は前期比11.2%増となった。米国の国防支出は1980年代後半から前年比マイナスとなり、冷戦終結後は一段と減少した。90年代は個人消費増大とIT革命を中心とする民需主導の経済成長が続き、税収増が続いて財政黒字が拡大した。国防費の支出減少も民需主導の経済成長を後押しする結果となった。産軍複合体にとっては、ブッシュ大統領は有能な人材ということなのでしょう。
しかし、同時テロ後の2001年の国防支出は前年比5.0%増、2002年は9.3%増とベトナム戦争以来の高い伸びとなった。2003年はイラク戦争とかテロ対応などからさらに国防支出は拡大していこう。大統領経済報告書によると、2003会計年度(2002年10月〜2003年9月)の国防関連支出は前年度比8.0%増の3,760億ドル強となっている。イラク攻撃の費用は入っていないので、開戦となれば一段と膨らむのは確実で、2004会計年度も大幅に増える見通しである。
WTIの期近3月物は2000年9月20日以来の高水準である。イラク開戦でイラクが大量破壊兵器を使用したり、油田を破壊したりした最悪の場合には、石油価格は1バレル=80ドルに暴騰するとも言われている。
特に米国の家庭には大きな影響を与えることになり、米景気は失速する恐れも考えられる。こうした中で先週発表された1月の物価指数は、エネルギー価格の上昇が卸売物価と消費者物価を押し上げる結果となった。特に1月の卸売物価の大幅上昇は、対イラク攻撃観測などを背景にガソリン、灯油などエネルギー関連が前月比4.8%と大きく上昇したことが原因となっている。こうした動きが長期化すれば、米国経済は急速に失速することも考えられる。
一方、明るい話としては1月の住宅着工件数が年率換算で185万戸と前月比0.2%増になったことである。1986年5月の185万4,000戸以来16年8ヵ月ぶりの高水準である。住宅投資は昨年11月頃から再び勢いづいており、住宅ローン金利も一段と低下しているので、中所得者層を中心に住宅購買意欲はなお衰えていないようである。
米国は「双子の赤字」時代に突入。イラク開戦によってさらに拡大していく。米国経済の前途は日本よりも厳しいかも。イラク戦後の米経済見通しの見直しが始まった。
バブル崩壊による税収の落ち込み、イラク開戦の懸念などで米国の財政赤字額は拡大しそうな勢いであり、年間3,000億ドル以上に達すると見込まれる。一方、双子の赤字の一つである経常収支の赤字額は、米国のGDPの5.0%にも達しそうな勢いで増えている。米国のエコノミストは、今年後半の米国経済の回復に期待している人達が多いようであるが、果たしてこの見通しは正しいものかどうか疑問が涌いてきた。私自身も同様の見通しをする一人であるが、先週発表された米国の2002年の年間と昨年12月の貿易赤字額を聞いて、米国経済の早期回復説には疑問を抱かねばならなくなってきた。
中国が世界の工場としての存在感を高めているだけに、対外不均衡が早期に改善する見通しは立っていない。
米財政収支と合わせて「双子の赤字」への懸念が強まってきた。米国の双子の赤字が注目されるのは、1980年代以来である。2001年には景気後退とテロ・国防支出の拡大などで財政は赤字に転落、2004会計年度にかけて財政赤字はさらに膨らむ見通しである。不況脱出のために一昨年の1兆3,000億ドルの減税に続き、10年で6,740億ドルという配当課税撤廃を中心とする減税策をブッシュ政権は打ち出している。
ブッシュ政権は双子の赤字増大の影響について、「それほど憂慮すべき状況ではない」との説明をしている。確かに財政赤字はGDP比で6.0%程度になった80年代に比べるとまだ低い水準である。しかし、財源をどうするかの問題と個人所得への経済効果に対する疑問から、共和党議員の中にも反対があり、減税案は最終的には3,000〜4,000億ドル位に減額されそうである。テロへの国内安全強化策のための財源は、州の一般地方公務員向け予算が大幅に削られ、多くの人員整理と投資削減実施によってまかなわれそうである。さらに、石油価格は上記したようにすでに家計に大きな重しとなり始めた。
それに対イラク戦争が始まれば、短期決着でも1,000〜2,000億ドル、3ヵ月以上となれば6,000〜8,000億ドルと言われる戦費が必要となる。このような状況の中で、GDPの約7割を占める個人消費は相当大幅に萎縮することは避けられない。減税とテロ対策と戦費で資金を使い果たして財政赤字が拡大し、イラク戦後に経済活性化を図る財政支出もできなくなる恐れはないのか。残された経済対策は、日本が過去たどってきたのと同じ金利低下策しかない。しかも公定歩合はゼロ%金利まで1.5%しか残っていない。これはドル価格の下落をもたらし、国家財政をファイナンスしてきた外国資金の流入の減少につながり、ドル安が強まる確率は高まる。このように整理すると、イラク戦後の米国経済の前途は、日本が過去10年間経験してきたデフレより厳しいかもしれないと考える昨今である。米国に対するイラク戦後の楽観的な見方は、2002年の経常収支の大幅な赤字という指標の出現によって、私自身の見方も変わってきた。FRBグリーンスパン議長は2003年の米GDP成長率を3.0〜3.5%と楽観的にみているが、最近、米国アナリストの間でも1.5〜2.0%という厳しい見方が多くなってきた。