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株、老害脱却で経済再生逆行高演じる「若手登用企業」
26日の日経平均株価は辛うじてバブル経済崩壊後の安値を上
回ったが、市場では「安値更新は時間の問題」とあきらめムードが漂う
。特に銀行株と並んで下げが目立ったのが小売株。東証株価指数「小売
業」はバブル経済崩壊後の安値を更新した。
セブンイレブ、丸井、パルコ――。25日に相次いで昨年来安値を更新
した銘柄をみると、イラクや北朝鮮情勢が原油高や消費者心理を通じて
、日本の消費に影を落とし始めた実態がうかがえる。消費者態度指数が
一気に悪化した米国の後を追っているようだ。
ところが低迷する小売株の中で、ひとり気を吐いたのがすかいらく(
前日比3%強上昇)だ。「創業4兄弟」の退任劇をきっかけに、この2
週間で1割以上上がった。本業重視の新体制発足が好感され、連日堅調
だ。そう言えば、創業者退任を機にロイヤル株が9%も上昇したのは記
憶に新しい。
一つのデータがある。帝国データバンクによると、全国121万社のう
ち2002年に社長が交代した企業は3.72%に過ぎない。78年に調査を始め
て以来、最低水準だ。しかも「最近のトップ交代は経営不振の後始末が
ほとんどで、前向きな交代例は少ない」(帝国データ情報部)。バブル
に踊った経営陣が社長、会長、相談役、顧問として居座り、その重しで
企業も株価が沈んでいく――。
長銀と日債銀が破たんした98年以降、デフレ脱却や不良債権処理が叫
ばれながら、いっこうに実現しない。その間、トヨタ(社長66歳)、ソ
ニー(同65歳)、ホンダ(同63歳)など日本を代表する企業の株価は低
迷したままだ。逆行高を演じているのは48歳のゴーン率いる日産自と51
歳の2世に経営を譲ったイオンくらいか。
金融政策大転換の期待を持たせながら失望売りを誘った日銀総裁交代
劇は、77歳から67歳へのバトンタッチだ。デフレ脱却に向け数少ない政
策である「税制」を握るのは自民党税調の80歳代のお歴々。財政や金融
政策への期待は長老支配の下で陽炎のように消えてゆく。残された処方
箋は「思い切った若手登用しかない」(稲盛和夫京セラ名誉会長)との
声も多い。手詰まり感がまん延する今こそ、「世代交代」「若手経営者
」をキーワードに物色し直してみてはいかがだろう。
(阿部哲也)
日本経済をいかに活性化するか――。世銀、クレディ・スイス・ファ
―スト・ボストン、ソシエテ・ジェネラル証券などに勤め、グローバル
企業の経営に詳しい経済産業研究所の藤原美喜子客員研究員に、再生の
鍵を聞いた。
――既存の経済政策では、日本経済は浮揚しないのか。
「そうだ。日本は90年代を通して計13回、総額120兆円に及ぶ補正予算
を組んだが、持続的な需要を創出できなかった。国と地方の債務残高は
累増し、いまや歳入の20倍にまで膨らんでいる。通常の財政出動で日本
のデフレは解消しない。借金だけが残る」
「ゼロ金利政策も効果がない。むしろ不振企業を温存し、モラルハザー
ド(倫理の欠如)を許す一因になっている。最近はインフレ目標策の導
入論議が活発だが、物価をどうやって制御するのかといった問題が未解
決だ。失敗した場合、どんなリスクがあるのか説明もない」
――では何が必要か。
「日本に漂う閉そく感を解消するには、世代交代しか選択肢が残ってい
ない。構造改革とは規制や産業の仕組みを変えるだけでは完了しない。
底流で世代交代が進まなければ、日本の活力はさらに失われ、国際競争
力は一段と低下する。デフレを1年や2年で解消できるというのは間違
った認識だ。デフレに特効薬はない」
――世代交代を阻む要因は。
「高度経済成長をけん引してきた長老らが、過去の成功体験にしがみつ
いているからだ。若い人たちに成功の機会を与えようとしない。変化の
芽を摘み取っている。欧州では、40代を若いと見なす国はない。日本ほ
ど世代間の意見の相違がある国はない」
――世代交代を促す妙案は。
「銀行経営者が好例だ。経営責任を追及する声は多いが、不良債権を生
み出した張本人は彼らではない。しかし銀行が置かれている環境を考え
ると若返りは必要だ。そこで彼らの責任を追及せず、きちんと退職金を
支払って、誇りを持ったまま自主的に辞めてもらえる環境をつくる」
「海外では経営者が交代する場合、日本ほど感情的にならない。紛糾す
れば会社の信用を損なうからだ。企業は割増退職金を支払う場合さえあ
るが、必要経費と割り切っている」
クイックより