現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産22 > 569.html ★阿修羅♪ |
|
2003年2月24日 月曜日
「N国がA国の国債を相手国通貨(ドル)建てで買う形で投資している」場合にはどうなるか? 以下の如し。
A国:
産業面でプラス(輸出競争力は強化)
金融面でもプラス(支払利息及び償還金額の減少)
N国:
産業面でマイナス(輸出競争力の低下)
金融面でもマイナス(受取利息額及び償還金額減少)
アメリカがかれこれ20年以上も、ほぼ一貫して「双子の赤字」を続ける「世界最大の債務国」でありながら、いまだに「帝国」をやっていられるのは、ひとえに、その「赤字」を一貫して自国通貨(ドル)建てでファイナンスし続けた、語の最も正確な意味で「有り難い」もうひとつのある意味での(経済)「大国」があったからである。そして、その「大国」とは日本にほかならない。まあ、「金の卵を産むニワトリ」みたいなものだな。その「卵」の累積額は国債、民間債あわせて700兆円位になっているそうな。
日本のハイパー・インフレも、アメリカの大不況入り(NYの株価の近い大暴落)と金融システム崩壊に連動するようにして考えられている。その根拠は、アメリカの国債(TB トレジャリー・ビル=財務省証券その他)の発行残高の、実質3分の一は、日本(政府、金融法人、メーカー、個人金持ちの4者)が買い支えているからだ。その額は、400兆円(3兆ドル)ぐらいになる。その他にも各種の債券や株式の形で300兆円分ぐらいがアメリカにある。合計700兆円である。これが、日本の金融不況の最大の原因なのだ。日本は、「政治的に」、資金をアメリカに奪われ、釘付けにされている。)
かくして日本はアメリカに為替レート設定のフリーハンドを与えてしまうことになった。アメリカにとっては、その利益極大を経済面のみで考えれば、「円高ドル安」のデメリットはなにもない、ということになってしまった。アメリカ側の事情から「円高ドル安」に歯止めをかける要因があるとすれば、それは唯一、やりすぎて「金の卵を産むニワトリ」を殺してしまっては元も子もない、といういわば「政治」的な勘案のみだろう。そしてその「経済」と「政治」の綱引きのバランス点が現在の130円前後という為替水準なのだろう。
(副島隆彦の総合掲示板より):http://www.soejima.to/
お昼のテレビのニュースによると次期日銀総裁のマスコミ辞令が流されている。私は福井元日銀副総裁の就任には反対している。それはバブルを発生させ崩壊させた張本人だからである。1985年のプラザ合意は為替操作を通じて、日本の金をアメリカ帝国に献上した形になっている。それはそっくり国債などの公的債務となって残る形になっている。アメリカへの投資額700兆円と日本の公的債務の700兆円とは単なる偶然の一致だろうか。
アメリカにドル建てで買わされた400兆円あまりのアメリカ国債は売ることが出来ない誓約書を書かされているようだ。現在は400兆円の価値があっても、ドルが暴落すればただの紙切れとなって償還されることになる。もし円建てでアメリカ国債を買っていればそのような心配はする必要が無い。(アメリカがアルゼンチンのようになる心配はあるが)
日本は公的債務が700兆円にも達している。普通ならば日本国債は売り込まれ暴落しているはずだ。しかしながら逆に高値で売買されている。円も120円を上回って高止まりしている。むしろ日銀は円売りドル買い介入をして円高防止に躍起となっている。普通ならばジョージ・ソロスならずとも円を売り崩して一儲けたくらむところだ。ところがジョージ・ソロスはそれで大損をしてしまった。
基本的には為替相場はその国の産業競争力を元に決められている。たとえば自動車を例にとれば、200万円のアメ車と日本車を売る場合、どちらが売れるだろうか。ガソリンバカ食いで初期故障の多いアメ車は120万円に値引きしてやっと対等に売れる。その場合アメリカのメーカーは政府にお願いしてドル安円高にして、値引きせずに売れるように調整をする。しかしアメリカの産業競争力は低下する一方だ。
日本政府は溜まった貿易黒字を担保に国債を発行して公共事業をやって景気を支えている。だから日本が貿易黒字国である間は国債を発行して財政出動して景気を支えることが出来る。だから小泉内閣の財政再建路線は間違だったのだ。英国の例をみればポンドで海外投資をして膨大な資本収入を得ることが出来た。アメリカもドルで海外投資をして膨大な資本収入を得ている。
だからこそ英国も米国も貿易赤字でも資本収支の黒字でバランスをとる事が出来た。日本も英国や米国のように円建てで海外投資出来るようにすべきだ。日本がいつまでも貿易黒字で貯蓄が積み上がり、海外への投資が進まないのは、米国が円建て国債の発行を認めないからである。そしてドルで資金調達をして売らせないようにしている。日銀はその売れない米国国債を一生懸命買っている。まさに速水日銀総裁は日本を売ってアメリカを買っているのだ。
アメリカは海外からの資本流入が減り、バブル崩壊寸前だ。特にイラク攻撃でアラブ産油国の資金が流出している。サウジアラビアもいつアメリカから敵対国に指名され資産凍結されかねない。だからアメリカにとってイラク攻撃は自分の首を絞めることになる。ヨーロッパも資本を引き揚げるだろう。だからグリースパンもイラク攻撃には「地政学的リスク」があると反対している。ロックフェラーもロスチャイルドもこのような事がわからぬわけが無いから、アメリカにイラク攻撃はさせないだろう。
貨幣と為替について 小室直樹:http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/416.html