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[東京 25日 ロイター] 日本公認会計士協会の奥山章雄会長は記者会見で、銀行の繰り延べ税金資産の算定について、今3月期末は昨年3月期末と同じような監査をするわけにはいかない、との考えを明らかにした。
公認会計士協会は24日、主要行の監査人に対し、繰り延べ税金資産の資産性を厳格に監査するよう文書で要請、奥山会長の発言はこの文書を踏まえたもの。
公認会計士協会は25日、主要行の監査人に対して奥山会長名で送付した「会長通牒(つうちょう)」を正式に公表。文書では、通常5年としている主要行の繰り延べ税金資産の回収期限を、「会社の置かれている経営環境などを勘案した結果、5年より短い期間になる場合がある」と明記。また、株価水準の下落や融資先企業の破たん、債権放棄などによって税務上の欠損金が生じても、こうした事案は「非経常的要因」であり、将来収益の見通しに与える影響は一時的だとして例外的な扱いとしてきたものを、「非経常的であるかどうかについて、十分な検討が必要」と記し、繰り延べ税金資産の資産性の検証を一段と厳格に行う姿勢を強調している。
奥山会長は会見で、今回の会長通牒は従来の会計指針を逸脱したものではないとする一方、「今期末の決算は、昨年末の決算と状況は異なる。同じようには見ることはできない」と語り、監査を一段と厳格化させる必要を強調した。「デフレ下で、どのように将来計画を読み、回収可能性を判断するのか、慎重に留意する必要がある」とした。
また、非経常的要因の具体例については「ケース・バイ・ケース」として明言を避けたものの、「融資先企業の2度目の債権放棄は非経常的要因とは言えないのではないか」との認識を示した。さらに、「今までは非経常的であったから、今後も非経常的とは必ずしも言えない」と説明した。
繰り延べ税金資産の回収期限については、「向こう5年の計画を立てても、4年目、5年目とももなると計画の見通しが厳しくなる。3年目以降の疑わしい部分は、達成可能性を厳しくみる必要がある。ディスカウント・キャッシュ・フローの計算でも行っているように、収益見通しは大幅に減算する必要がある」と語った。
会長通牒は、会計士協会の会員に対して、個別監督権を持つ協会会長が通達を出すもの。違反しても罰則規定はないが、奥山会長は「従ってくれるものだ」と述べて、監査厳格化の実効性に自信を見せている。(ロイター)