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最近「土曜日のATM利用が有料化」「両替機利用有料化」などのニュースが新聞紙面を賑わせている。ニュースで大きく取り上げられているのは主にこの二つだが、実は昨年秋ごろから銀行の手数料値上げはじわじわと始まっていたのだ。いくつか見てみると、
窓口での振り込み手数料(他行あて・3万円以上・電信扱い):735円→840円
通帳、カードの再発行手数料:1050円→2100円
残高証明書:420円→735円
手形用紙交付手数料:1050円→3150円――など。
すべての銀行が上記の手数料ではないが、これまでの横並びの値上げ状況を考えると、まだ改定していない銀行も少しずつ値上げに踏み切ってくることは十分に予想できる。
目立つのは、法人向け取引にかかわる手数料のアップ率が高いことである。昨年12月に事務所の仲間と有限会社を設立したときのこと。出資金の払込銀行を決めるにあたり、いくつかの銀行に問い合わせをしたところ、以前はどこの銀行でも「払込金の0.25%+消費税」であったが、問い合わせた所はすべて値上げしていた。
出資金300万円を例にとると、0.25%の頃なら7500円+消費税。これがT銀行は3倍になっていて払込金の0.75%、2万2500円+消費税だ。M銀行は0.25%のままだが、3万円に満たない手数料は3万円に切り上げとなる。
この出資払込事務手数料とは、会社を設立するときに出資金が間違いなく用意されているという証明書を発行してもらうための手数料だ。現金を持ち込んで証明書を発行してもらい、登記が完了するまでの数日から数週間おカネを保管してもらうために払うもの。もちろん、利息はつかない。なぜいきなり数倍もの手数料値上げになったのかは窓口では答えてもらえなかったし、HPを見てもリリースすら見当たらない。預金保険料というコストがかかるのかもしれないが、それにしてもアップ率はかなり高い。
利用者が手数料負担を抑える工夫をするにも限界がある。土曜日のATM利用が有料になるならできるだけ平日の昼間に利用する、振込手数料を抑えるためにテレフォン・バンキングを利用するなど自衛策は考えられるが、しかしATMやテレフォンバンキングを使いこなせないお年寄りの方もいるし、おカネの入出金ができるだけの、振込機能を持たないATMしか置いていない信金・信組だってあるのだ(だからといって、窓口の振込手数料が他より安いわけではない)。法人だって、継続した取引がある場合はそう簡単に銀行を変えることもままならない。将来、すべての両替機が有料になったら、商売をしている人にとってはコスト増になるが、だからといって銀行のように簡単に値上げはできないだろう。
問題なのは、各種手数料を値上げする際、告知がきちんとされていないことだ。ある銀行の各種手数料改訂のお知らせを見ると、値上げの理由はどこにも書いていないのに「諸事情ご賢察の上なにとぞご理解賜りますようお願い申し上げます」とある。背景や理由がわからないのに、どう理解すればよいのだろうか。
また、HPなどを見ても売りたい商品や手数料割引キャンペーンなどは告知されているが、「手数料値上げのお願い」をリリースしている銀行はほとんどない。利用者にとってメリットとなるサービスと、デメリットになるサービスはどちらも同じように告知することは当然の義務だと思うのだが……。
銀行へのお願い。こっそり値上げはやめてください。
生活設計塾クルー 深田晶恵