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株、代行返上の「悪夢」現実化――ソニー安値、主力株総崩れ

【ＮＱＮ】21日の東京株式市場で日経平均株価は４日続落。後場に入っ
て下げ幅を広げ、8500円割れ目前となる場面もあった。ソニーが昨年来
安値を更新したほか、松下、トヨタ、武田、信越化と主力株ほど下げが
きつかった。各業種の最有力銘柄の急落に、「やはり、企業年金の代行
返上に伴う換金売りの影響は大きい」（国内証券のエクイティ担当幹部
）と、ため息交じりの声が出ている。
厚生年金基金は全国に1686（１月末現在）ある。そのうち２月１日時
点で厚生労働省が代行返上部分の返上を認めた基金は333に達し「合計
で２兆円の売り圧力になる」（大和総研）という。1基金当たりでは60
億円の計算だ。17日時点で認可を受けた基金はさらに358に増え、増加
分に60億円をかければ、２週間で潜在的な売り圧力が1500億円増したこ
とになる。
実際、東証が20日発表した２月第２週の（10―14日）の投資主体別売
買動向（３市場、１・２部合計、立ち会い外含む）によると、信託銀行
の売越額は633億円と、１月第３週（962億円の売り越し）以来の高水準
だった。市場推計では、この週の公的年金資金による買いは500億円と
見られ、「差し引き1000億円を超える代行返上売りが出た」（コスモ証
券）との見方もある。代行返上する基金が増え、売り圧力がじわじわと
増す市場状況を映し出している。
20日に、ヘッジファンドなどの売りで大きく下げた大手銀行株はきょ
う21日も三菱東京ＦＧが上場来安値を更新。反発したみずほＨＤ、三井
住友ＦＧも上げ幅は限定的だった。手口を見ると三菱東京ＦＧ、三井住
友ＦＧとも地場証券の買いが入る一方、ドイツ証、日興ソロモン、コメ
ルツなど外国証券の売りが続いている。
朝方は、三井住友ＦＧが前日21日に、優先株の普通株への転換価格（
31万2000円）と下方修正した場合の下限価格（15万6000円）を決定した
ことで銀行株が下げ止まるとの期待も出ていた。だが実際には、銀行株
は再び相場の波乱要因となった感がある。今後も投機筋の売り継続を示
唆する手口が見られることから、「銀行株動向も相場の先行きに暗雲を
投げ掛けている」（中堅証券）との受け止め方が多い。（稲留正英）

クイックより

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