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12月の第3次産業活動指数は、前月比▲0.7%と11月に続いて大きく落込み、4ヶ月連続の減少となった。10−12月の第3次産業活動指数は、鉱工業生産指数と全く同様前期比▲1.0%となった。このため、全産業活動指数も前期比▲1.0% と、02年1−3月から7−9月までの回復から一転大幅なマイナスとなった。 BNPパリバ証券会社・経済調査部エコノミストの村上尚己さんは、10−12月の全産業活動指数は、2月14日(金)に発表された10−12月GDP成長率 (前期比+0.5%、年率2.0%)とは全く異なる結果となったが、「両者の差 は、以下のような統計作成上の相違点が影響している」と語る。
<統計作成上の4つの相違点(ほぼ原文通り)が影響>
@ウェイトの違い 全産業活動指数は95年基準の各産業のウェイトで加重平均され るが、GDP統計は01年時点の各産業のウェイトで加重平均されている。全産業活動 指数は、成長産業の拡大が過小評価され、衰退産業の縮小が過大評価される傾向 がある。
Aカバレッジの違い 特に個人消費。GDP統計では、特定サービス動態調査がサー ビス消費を捕捉するメイン統計として使われ、同時に、需要サイドの家計調査も 用いられている(家計調査に含まれる「こづかい」には新たに生み出されたサー ビスへの支出が含まれている)。全産業活動指数では、小売の販売統計や家計調 査のごく一部の支出しか使われておらず、サービス支出が十分捕捉されていな い。
B実質化の違い 第3次産業はCPIで実質化されている。一方、GDD統計の消費デフ レータは、CPIよりもデフレ深刻化がより正確に反映されている。このため、GDP 統計では実質ベースの消費が嵩上げされた。
C季節調整の違い 個人消費は特に年末年始の季節性が大きいが、近年消費行動の 季節性が薄れている。GDP統計では「季節性が小さくなっている」ことが反映され るような季節調整がなされていると思われる。
<今年も、輸出・米国次第の状況が続く> GDP統計に全く問題がないわけではないとしながらも、「第3次産業活動指数を含めた全産業活 動指数は過小評価されている可能性が高い」と言う。輸出の持ち直しを背景に、10−12月 の日本経済は、縮小したというよりは、回復も後退もしなかったということ。 もっとも、GDP統計が示すように、7−9月まで堅調だった個人消費が大きく減速するなど、国内需要に回復の兆候は全くみられていない。デフレが国内需要を抑制 し続ける限り、持続的な成長は見込みがたい。「今年も、輸出・米国次第の状況が続く」と見ている。