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やはり清田氏は固辞−。産業再生機構の法案が審議入りしたのも束の間、注目の社長人事がまたも白紙化した。最有力候補だった大和証券SMBCの清田瞭(あきら)社長(57)が固辞し、政府は「説得は困難」と断念したもようだ。「閻魔(えんま)大王」として、同社に出資する三井住友銀行系列の不振企業の生死を判定するケースも想定され、情実裁定やインサイダー取引の疑惑を向けられるのを避けたようだ。夕刊フジが報道した通り、ハムレットの心境だった清田氏の「降板」で、再生機構は冒頭から暗礁に乗り上げた。
5月スタート予定の政府の産業再生機構。銀行が抱える流通・ゼネコンなど過剰債務の不振企業のうち、再生機構が再生可能と判断した企業だけ、非主力行銀行などから債権を買い取り、企業再生を目指す。買い取り資金は10兆円にも上る。
買い取らない場合、不振企業は整理回収機構に回され、破綻(はたん)に追い込まれるケースもある。機構のトップは、問題企業の生死を握る「閻魔大王」と揶揄(やゆ)されてきた。
トップの人選にあたっては、「実業界でさんざん苦労した人が望ましい」(塩川正十郎財務相)として、谷垣産業再生担当相が旗振り役となり、「憎まれ役」のトップの人選を進めてきた。
日本経団連副会長の片田経・コマツ取締役相談役(71)▽藤井義弘・日立造船相談役(77)▽経済同友会副代表幹事で産業再生に詳しい渡辺正太郎・花王特別顧問(67)▽経団連名誉会長の今井敬・新日鉄会長(73)…。
「経済界の重鎮」の名が次々と挙がったが、いずれも「荷が重い」と固辞した経緯がある。
そこで、産業再生機構の社長と、機構内に設置する産業再生委員会の委員長を兼務する有力候補として、白羽の矢が立ったのが清田氏だった。
昭和44年に早大政経学部を卒業後、大和証券に入社し、平成9年に副社長となり、11年から現職。大和証券時代は債券の営業部門などを統括してきた。
企業買収のM&Aなど企業再生ビジネスに精通し、57歳という脂が乗った若さからも期待されていたが、実のところ、本人は困惑しきりだったという。
名指しされた背景は「経団連の奥田碩(ひろし)会長が最後の切り札として、大和証券グループ本社の原良也社長に持ちかけ、同じグループで企業再生を手掛ける清田社長が浮上した」(永田町筋)とされる。
親会社の社長命令だったとしても、機構のトップを引き受けると、大和証券SMBCに40%出資する三井住友銀の取引先、つまり流通やゼネコンなど不振企業の債権を買い取る可能性が高い。
そうなると、当然「情実裁定だろう」と邪推を呼ぶことになる。
企業が再生を果たした後、その企業が企業再生ファンドなどに売却されるとき、大和証券SMBC側が絡めば、「インサイダー取引では」との批判も避けられない。
そこで、金融アナリストは解説する。
「本籍(大和証券SMBC)から離れて当然、中立に生死判定などの実務に当たるわけだが、あらぬ疑いや妬(ねた)みをもたれ、本籍の業務に影響が出るようでは、引き受けるメリットが低い」
清田氏の周囲も「辞めた方がいいと勧め、本人もハムレットの心境で相当悩んでいた」(大和証券グループ関係者)。
折しも昨20日、衆院本会議で再生機構の関連3法案の審議が始まったばかりなのに、社長人事はまた白紙となった。
「引き受け手は初めからいない」(大手民間調査機関アナリスト)「最後は結局、政治家しかない」(永田町筋)
さまざまな憶測が飛び交うなか、一番ホッとしているのは、清田氏本人かもしれない。