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日銀が、デフレ対策の切り札として設立される産業再生機構への出資に難色を示している。最大懸案のデフレ克服についても、インフレ目標など金融政策の手詰まりを強調して、政府や財務省に責任を押し付けるばかり。これでは通貨の番人というより、デフレの番人?!
「企業の生死を判定する閻魔(えんま)大王」こと産業再生機構は早ければ5月にも設立されるが、大手銀行などが500億円を出資するほか、日本政策投資銀行や日本経団連、日銀にも計200−300億円の出資を見込んでいる。
1月21−22日に開いた金融政策決定会合でも、財務省の出席者から「産業再生機構への日本銀行による資金供与を期待する声もある」との発言があった。
日銀に出資や融資を要請した形だが、20日付の読売新聞によると、日銀は、政府保証付き融資や職員の派遣には応じる方針だが、出資については「焦げつく恐れがある」などと難色を示しているというのだ。
速水優総裁はこれまでにも産業再生機構への出資について「日銀法上、できない」と否定している。
日銀がケチをつけた背景には政府・財務省主導で進められているデフレ対策への強い不満が背景にあるのは事実だが、それを差し引いても日銀の消極性は目に余る。
先月の決定会合の議事要旨をみても、委員は「短期間にインフレ率をプラスにする手段としては、大幅な財政出動か為替誘導を考えざるを得ない」「デフレ克服は、日本経済の持続的な成長の実現を通じてはじめて展望できる」と他人事。
速水総裁が「無謀な賭け」と毛嫌いするインフレ目標政策についても、多くの委員が、「経済を不安定化させるリスク」を強調しておきながら、「インフレ・ターゲティングが狙う効果の多くを、実質的には既に採り入れている」と見解を述べるなど、一貫性のなさをさらけ出している。
さらに「日本銀行が単独で採り得る有効な方策があるのかは悩ましい問題だ」との発言に至っては“伏魔殿”という言葉さえ脳裏をよぎる。
小泉首相は新総裁人事について「デフレ退治に積極的な人」と述べているが、これでは誰が総裁になっても事態は変わりそうにない。
日銀が財務省に財政出動を求め、財務省が日銀に金融緩和を求めるなど責任のなすり付け合いが続く中、経済は確実に悪化を続けている。
日銀は銀行の保有株を直接買い取るという奇策を打ち出したが、今後は3月末の株価対策として買い取り枠の拡大や、ETF(株価指数連動型上場投資信託)の購入が焦点になる。日銀の金融政策が後手に回るほど、かえって“劇薬”を飲まされることになりかねないのだが…。