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UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、「福井氏と日銀 」を挙げる。
<「福井総裁」なら、政策運営で独自色を打ち出す> 大詰めを迎えた日銀総裁人事に依然として決め手はない。ただ、周辺情報を総合すると、「元日銀副総裁の福井氏が新総裁に就任する可能性はまだ残っているようである」と語る。福井氏の新総裁就任の確率を25%から40%へ再び引き上げることにする。なお、財務省OB40%、その他20%といった確率分布に変化はない。 決定は、早ければ、24−25日、順当な線では27−28日ではないか。それまで最終調整が続くことになる。 「仮に福井氏が新総裁に就任した場合、『彼個人の経済政策運営に対する考え方』 そのものが、日銀執行部の総意として打ち出されてくる可能性が高い」と言う。日銀内に福井氏待望論が根強いことからもわかるように、「日銀事務方の福井氏サポート体制はかなり強力なものになる可能性が高い」からである。
<福井体制での日銀の政策スタンス「4つの変化」> 日銀の政策スタンスは、福井体制下でどのような変化をみるであろうか。この点 について、白川産は、今日は次の4点(ほぼ原文通り)を挙げるーー。
(1)信用リスク資産の購入開始: ETFを中心に信用リスクのある資産の購入を 開始。日銀としてのバランスシート健全化、銀行のバランスシート健全化推進、 が購入開始の理由。
(2)産業再生機構に対する支援の積極化: 機構への直接出資、機構に対する大物幹部の派遣、日銀内に機構支援室を設置、など。不良債権のオフバラ化支援と借り手企業の再生支援によって、日本経済の供給サイド強化に日銀自ら積極的に関 わるという戦略。
(3)痛烈な財政政策批判の開始: 行政改革の不備を背景にした無駄な財政支出の 見直しや、より思い切った税制改革の断行を積極的にキャンペーン。その一方で 、安易な公共事業の追加に反対するスタンスを明確化。従って、補正予算の組成 =日銀による輪番オペ増額、といった路線には簡単には与しない。
(4)長期金利の上昇要因: 輪番オペの増額をストップ。「低い長期金利は公的部 門のモラルハザードを助長する上、将来の金利反転時にはシステミック・リスク をもたらす」との考え方の下で、長期金利の緩やか、かつ持続的な上昇を容認することに。
<福井氏持論、日本経済再生に必要な「3つの改革」> さて、上記のような政策スタンスの変更が展望される状況で、今の政権に福井氏をアポイントするだけの勇気があるであろうか。個人的には「疑問」であると言う。日銀の総裁は5年間という長い任期である。そして、任期途中の解任は現実問題として不可能である。福井氏ほどの大物を日銀総裁に据えた場合には、益々、解任などあり得まい。福井氏は、財界、金融界からも高い信望がある。その人物が日銀総裁となれば、 日銀はこれまでの守勢から攻勢に転じる可能性がある。「福井氏は地盤が沈下した日銀を復権させる力を持っている」と言える。福井氏は政府の意見に流されていくような人物ではない。自らの信念で行動する人物であろう。そして、彼の持論からすれば、日本経済の再生に必要なことは、@産業再生、A規制改革、B行財政改革、であって、マクロの需要刺激ではない。 このことは、同氏の哲学が、現政権とは相容れないものであることを物語っている。「個人的には、福井氏の新総裁就任を支援したい」としながらも、日銀の「財務省子会社化 」を望む政府にとって、福井氏を選択することは大きな勇気が要ると言う。それ故、「簡単には決まらない人事」でもある。