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これだけ、日本経済が厳しい状態になってくるとある程度のサービス残業はしかたがないと思って仕事に励んでおられる方も多いだろう。また管理職になったのはうれしいが、今までと同じように働いているのに何故か給与が減ってしまったという経験を持つ方も少なくないだろう。(これは、本来法定労働時間を超えて働く場合、事業主は基本給の2割5分増以上の賃金を支払わねばならないことになっているが、管理監督者はこの規定よりはずれるからだ。ただし、管理職といえども深夜割増は必ずつけなければならないことになっていることはチェックしておこう。)
さて、このもらえない残業代の影響は毎月の給与だけでなく万一のときの生活保障や遺族の補償額にかなり大きく影響してくることを自覚しておられるだろうか?
本来の労働より、もらっている給与が少ないということは、すなわち失業したときや業務上で死傷した場合または交通事故にあった場合などの補償額が少なくなるということでもあるからだ。何故なら、労災の休業補償も遺族年金もまた交通事故による休業補償も慰謝料の額の基礎になるのは、これらの給与であるためだ。もちろん、失業給付もしかりである。
では、サービス残業が非常に多かったり、経営者と一体とはいえない立場であるにもかかわらず、名称だけ管理職であるため残業代がほとんどついていないような場合は、万一ことがおきた時、あきらめるしかないのだろうか?
実は、興味深いケースがあるのでここで紹介をしておこう。
過労死と認定された時、給与に残業代がついていなかったため、遺族年金額が本来の労働より少ない額で一旦確定した後、本来は管理職とはいえない状態であったとして残業代を含めて算定しなおした結果、年金額が当初計算された年額347万円から418万円になったというものである。(日本経済新聞より)
もちろんどんなに遺族年金額が増えても、命に代えられるものではない。しかし残された遺族の生活にとって毎年毎年入ってくる年金額が71万円増えたということは生活をしていく上で、大変に大きいことである。
また、これは遺族が最初の決定を不服として労働局に審査請求したことを受けて下された決定である(黙って待っていて増額されたわけではない。)ことも知っておいて欲しい。
状況によりサービス残業はしかたがないという場合もあるだろう。ただし、再度確認してほしいことは自分の身体は自分で守るということと、万一の場合のために、自分で実際の労働時間や労働内容を普段からしっかりなにかに記しておくことだ。それが審査請求や場合によっては裁判のときの大きな証拠になり、あなたや遺族を助けてくれるのだから。
ライフプラン倶楽部 CFP 岩田みち子