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パリ 2月18日(ブルームバーグ):独コメルツ銀行傘下のCCRアクションのファンドマネジャー、マルク・ルノー氏は数年来、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の声明に耳を傾けてきたが、今週パリで開かれるG7当日の 21日は、アルプスにスキーに行くことにしている。
「これまではG7声明で世界が変わるかもしれないと考えていたが、今はそう思わなくなった」と言うルノー氏は、「閣僚はリーダーシップを発揮せず、論争ばかりしている」と批判的だ。
主要7カ国は今、金融政策や財政政策、対イラク戦争などあらゆる面で意見対立している。今度のG7でも各国は、政策協調を目指すどころか、異論の少ない議題の協議に終始しそうだ。開催国フランスのメール財務相は、「今回の会議はとりわけ微妙な経済情勢のなかで開催される」と述べ、「G7の効力は世界経済が悪化しないよう世界にメッセージを送ることにある」と述べるにとどめている。
先週末に欧米各地で数百万人が反戦デモを繰り広げるなか、イラクの武装解除とフセイン大統領追放を狙った武力行使の是非をめぐる英米と仏独の溝は一段と深まっている。ノムラ・インターナショナルのエコノミスト、ローゼンストック氏は、「リスクは、イラクのウイルスが今度のG7会議に感染し、行動を阻止しかねないことだ」と指摘する。
異なるアプローチ G7各国は景気浮揚を目指しながら異なる方向に動いている。米国が減税を進める一方で、英独は増税に取り組んでいる。欧州中央銀行(ECB)の金融緩和は米連邦準備制度の半分のスピードだ。日米独の経済が1%未満の低成長にあえぐなかにあって、各国財務相が一致したメッセージを打ち出せないでいるのも、各国が景気刺激で異なるアプローチを取っているからだ。
財務相にとって懸念材料である為替相場についても、各国政府は自国の利益追求に走りがちだ。欧州企業は過去1年間で23%も上昇したユーロ・ドル相場に嘆きの声を上げているし、日本経済にとってはドル上昇が輸出に追い風となる。その一方で、米輸出企業にとってはドル下落が収益の支えだ。
1985年のプラザ合意では、主要国がコンセンサスに基づいて協調できることを証明したが、今の為替市場でG7がどれだけ影響力を行使できるかは疑問だ。 2000年9月にG7がユーロ相場のてこ入れを目指した際は、短期的に反発したものの、その1カ月後には1ユーロ=0.83ドルまで下落している。クウォールズ米財務次官補(国際問題担当)は、「為替問題で意見を一致させるという構想はかなり長い間、G7の間でコンセンサスを得ていない」と語る。
新規参加者
G7の政治的主導権に関して言えば、カナダのマンリー財務相も言及しているように、同相とメール仏財務相が昨年6月に初めてG7に参加したばかりと、「新顔が多い」(マンリー財務相)のが特徴だ。スノー米財務長官も2月7日に就任した新米だ。
それだけに、経済界の首脳もG7には多くを期待しなくなり始めている。仏ケーブルメーカーのネクサンスのオゼー最高経営責任者(CEO)は、「G7は各国の首脳に2日間こっそりと協議することを認めるだけで」、「結果は期待外れのケースが多い」と冷ややかだ。
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