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UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チ−フエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、「政府の政策目標と日銀のETF購入」を挙げる。昨日の「アドバイザー」では、次の5点について述べた。すなわち、@自己資本比率が低下している日銀にとっては、今後 、自らのバランスシートの拡大を抑制しつつ、物価の安定を図っていく必要性に迫られる可能性が高いこと、AM2+CDの流通速度の安定性を考えれば、日銀は信用乗数の回復を政策の最重要課題として掲げざるを得ないこと、Bこのこと は、日銀の政策目標が「銀行のバランスシート健全化」になることを意味すること、Cその意味で、日銀にとって、ETFの購入や産業再生機構への直接出資は魅力のある政策であること、Dしかしながら、政府は、そうした日銀の政策方針 を基本的には望んでおらず、淡々とした輪番オペの増額を期待していること、など。
<政府が、日銀のリスク資産購入に前向きではない理由> 政府(財務省)が、日銀によるリスク資産購入に前向きではない理由は何であろうか。言い方を変えれば、政府(財務省)の政策目標は何であり、そこから導き出される中間目標は何であるか、ということである。政府の政策目標は、基本的には、国のバランスシートの健全化である。そこでは、「税収の拡大」が最終目標になろうが、その一つ手前の段階では、「政府債務の膨張の抑制」が政策目標となる。なぜなら、「税収の拡大といった政策目標の達成に当たっては、『課税ベ ースの拡大や増税』といった国民に不評な政策の実施がもはや不可避な情勢にある」からである。これは税収のGDP比率が趨勢的に低下していることによって容易に示される。将来の増税措置を可能な限り小規模なものに止めたいと考えれば、債務の膨張による財政赤字の拡大といった悪循環が生じないよう、現時点から手を打っておく必要がある。
<日銀のETF購入論もその枠組みの中で捉えすべき> 政府債務の膨張を最も効果的にコントロールする方法は、「長期金利の上昇を抑制することである」。10年物金利を1%程度で抑えこんでおくことができれば、向こう3−4年は国債費の爆発は防げる可能性が高いとして、こう語る。「政府にとっての中間目標は、 長期金利水準であり、その低位安定を達成することが、日銀と政府のアコードの本質となるのではないだろうか」。従って、税収の目立った拡大をもたらす保証がない一方で、長期金利の上昇を招くリスクがある政策は、基本的に排除されていくことになる。「日銀によるETF購入論もそうした枠組みの中で捉えられるべきものであろう」と見ている。