現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産22 > 154.html ★阿修羅♪ |
|
「日本経済の本質的問題」
昨日の続きです。インフレターゲット論ですがコストを除外した政策提言の無効
性を指摘したわけですが、さすが官民こぞって社会主義精神旺盛。資本主義エコ
ノミストが時には社会主義者に変貌するいい例がインフレターゲッ論です。現在
の債権バブルの基、国債を腹いっぱい抱えている金融機関は突如インフレにトレ
ンドが変わったらいったいどうなるのでしょうか?金利の上昇は当然債権価格の
下落を招きます。膨大な資産、国債が含み損を抱えます。不動産バブル崩壊と同
じ状態が生じます。まさか物価が上がるのに金利は今までどおりゼロというよう
なわけにはいきません。この場合にのみハイパーインフレ状態に移行します。唯
一の手段は国債を日銀が無制限に強制買い上げすることです。金利上昇が見え始
めたときは国債保持者は先を争って国債を売ってくる可能性があります。国債の
含み損を抱えるとまたまた資本不足に陥るからです。これはいたちごっこです。
つまりインフレターゲットで国債の買い入れを行えば資金はまたまた国債購入に
向かいます、これではインフレを起こすことは不可能です。ほかの手段、外債購
入・不動産購入・CP購入などで資金供給をしても、金融機関の貸し出し能力が
増加しない限り経済の活性化は起きないのです。デフレの時代にインフレを人工
的に起こすには日本は大きすぎるのです。どこかの小国であれば可能性は高いで
しょうが。そもそもデフレとは物の価格が下がることとイコールではありません
。
デフレとは需要と供給のギャップが多くの分野で見られるときに生じます。つま
り供給能力が極端に需要を上回る場合です。日本は日銀が構造改革を考え出した
とき即ち25年ほど前からすでにデフレギャップは生じていたのです。80年代の
資産バブル時代にも物価は上がりませんでした、常識的に考えれば七不思議なの
です。小泉政権はこのデフレギャップの解消とは逆の政策をとっています、です
のでデフレを退治すると言いながら全く逆のことをやります。竹中氏は何度も言
うように、彼の経済学はサプライサイドの経済学です、供給側の効率化を追求し
ます。つまりデフレ助長経済学です。サプライサイドの効率化が景気の回復に寄
与するという全く的外れの理論なのです。25年前の日銀は日本の経済構造の変化
を熟知していたはずです、デフレギャップがすでに生じていたことを。彼らは内
需をいかに創出して輸出主導型経済から脱皮するかという戦略を考えていたので
す。つまり需要と供給の不一致を内需拡大で解決しようとしたのです。この考え
は正しかったのです、が問題は国家主導で実行しようとしたことです。この時に
社会主義的考えから自由になり民を育ててくれば今の日本はぜんぜん違う国にな
ったことでしょう、悲しいかな「日本のエリート」は民を全くといっていいほど
信用しませんでした、というより彼らのエリート意識はそんな考えさえ持たなか
ったようです。いつでも国家エリートは民を指導するべきという社会主義国家特
有の意識構造です。そこで結論として当時の自社政治家と結果的に結託、内需と
して公共事業に資本投下して権力維持装置として機能し続けたのです。デフレギ
ャップを公共事業でカバーしたといえばよいでしょう。今いっても遅すぎますが
、
建設分野に多くの投資をすることなくもっと国民が豊かになれることに投資を振
り向ければ日本はもっともっと違う国になっていたのです。残念ながら「国家エ
リート」は国民を信じませんでした、というより自立した国民を育てようといっ
た意識さえなかったのでしょう。日本は世に言われるような輸出主導型国家では
ありません、おとなりの韓国が典型的な輸出主導型国家です、なぜならGDPに
占める輸出比率は50%近くあります。アメリカのほうが日本より輸出比率は実
は高いのです。今問われているのは日本の将来構想です、いかにして日本は世界
の未来に貢献するかという国家目標の設定なのです。よく原点に還って考えてみ
ましょう。そうすれば景気はよくなります、というより豊かな日本人となるので
す。
そもそもどうやって日本の国内需要を増やすんだ?