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UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、「大詰めを迎えた日銀総裁人事」を挙げる。
<日銀総裁人事の代わりに、GDP速報を3月期株価対策に?> 先週金曜日に公表された10−12月期の実質GDP成長率は、市場予想を大きく上回る前期比+0.5%となった。12月のサービス関連支出、ないしは、単身世帯支出の部分が市場の想定に比べて大きく上振れた可能性が高い。だが、「基本的には、やや不可解なデータであったと言わざるを得まい」と語る。 統計の信頼性が再び問われることになった10−12月期のGDPであったが、「こうした事実は日銀総裁人事と全く無関係ではないかもしれない」。なぜなら、日銀総裁人事が3月期の株価対策となる可能性がここに来て低下した、とみられるからである。政府がマクロ経済データの操作をしているとは考えないが、日銀総裁人事が株価対策の目玉とならない中で、「データが十分に得られていない速報段階で やや強めの想定が置かれた可能性は否めない」と見ている。
<総裁候補の確率分布に変化> 2月12日の「アドバイザー」では、今回の日銀総裁人事が、政府と日銀の間の「アコードの本質」を明らかにすることを述べた。そして、この点に絡んで、日銀総裁レースが、「財務省」VS「日銀信用機構派・竹中氏」の様相を呈してきたことも述べた。アコードが、@哲学なき公的債務マネタイゼーションの加速(長期金 利の低位安定と円相場のオーバーシュート予防)となれば、次期日銀総裁は財務 省出身者に、そうではなく、A日銀による金融・産業構造改革支援の強化(銀行のバランスシート健全化策としてのETF購入や産業再生機構への直接出資等)となれば、基本的には福井氏に、との構図であった。そして、両者の確率をほぼ均等にみて来たことから、次期総裁については、財務省OBが40%、福井氏40 %、その他20%としてきた。
しかし、「この確率分布は変化した」と、白川さん。政府と日銀のアコードに関するシナリオの確率分布が変化したからである。結論から言えば、「アコードについては、哲学なき公的債務マネタイゼーション加速の確率が上昇し、次期日銀総裁の確率分布ついては、財務省OB55%、福井氏25%、その他20%」となった。
<金融政策フレームワークの不変を意味する可能性> 行財政改革、産業構造改革に積極的な福井氏は、株式市場にとってむしろ望ましい候補であるとみてきた。だが、政府にとっては、淡々と国債を購入してくれ、あえて意見を言わない総裁の方により大きな魅力を感じているようである。今回の日銀総裁人事は、「金融政策のフレームワークが本質的には何も変わらないことを意味する可能性が高い」と言う。残念ながら、新日銀によって日本経済の将来展望が開けることにはならない可能性が高い、と見る(福井氏の可能性が完全になくなったわけではなく、望みを完全に捨てるべきではないが)。なお、総裁人事の公表はG7会合明けの来週前半になる公算が高まっている。