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「福井俊彦富士通総研理事長が次期日銀総裁に就任したならば、株式は間違いなく“買い”だ。それというのも“福井総裁”が実現したならば、日銀は間違いなくETF(株価指数連動型上場投信)の購入に動いてくるからだ。仮に、日銀がETFの購入に動けば、当然のことながら株価は上昇する。したがって、株式は“買い”ということなのだ−」
有力日銀OBがまさに自信満々という面持ちで、こう指摘してみせた。
しかし多くの読者は、「福井総裁ならば、日銀はETFの購入に動く−」という“解説”にはかなり強い違和感を覚えるのではないだろうか。
だが、これには明確な理由があるのだという。
「福井氏が次期日銀総裁に就任したならば、福井氏は日銀改革に乗り出してくることは間違いない。そして、ここで言う“日銀改革”とは、日銀のバランスシート改革に他ならない。福井氏は日銀時代、常々『日銀の健全性を確保するためには、バランスシート改革に乗り出さなくてはならない。日銀の“資産”が国債に偏重している現状では、日銀は国債価格の下落に伴うリスクをストレートに受けることになる。つまり、リスク分散を図るために、資産の中身を国債一極集中から、国債、株式−ETF等−、為替−外国債、米国債など−などに分散する必要がある』と主張してきていたのです。したがって、福井氏が日銀総裁に就任したならば。この“主張”が実行に移され、日銀がETFの購入に動く可能性は高い、と見るべきでしょう」(前述の有力日銀OB)
改めて説明するまでもなく、福井氏は日銀副総裁まで歴任した元日銀マンだ。「そして、現在に至るも、日銀内には言うところの福井シンパが数多くいることは間違いありません」(日銀幹部)
そうした状況の中、今年に入って日銀は、非常に興味深い動きを見せたのである。
さる1月7日、日銀の速水優総裁は衆院予算委員会で、10年物国債金利が1%上昇したならば、大量の国債を保有する日銀に1兆円の含み損失が発生する、と発言した。
「この“速水発言”については、今以上の量的緩和政策の実施について日銀が危機感を持っている、という形で受けとめられたようですが、それはあまりにも短絡的すぎです。日銀は広い意味での量的緩和政策について否定的なスタンスをとっているわけではありません。しかし、日銀が今以上に国債を保有し、日銀のポートフォリオがジャブジャブの国債によって占められてしまうことには強い危機感を持っているのです。したがって、国債の一極集中化リスクを懸念するという意味での“速水発言”なのです」(日銀幹部)
いうまでもなく前述の“速水発言”は単なる思いつきから出たものではない。日銀の事務方が入念な下準備を行ったうえで出てきたものだ。
「日銀サイドも、“政策転換”へ向けてシグナルを送ってきたとみるべきだろう」(大手都銀役員)
とはいえ日銀−つまり中央銀行による株購入についてはいろいろと批判が出てくることは必至だ。
しかし過去、まったく例がないわけではない。かつてオランダにおいて、似たような施策が実施されたケースがあるのだ。
「日銀内部では、このオランダのケースについて、もうすでに研究を加えている−」(日銀幹部) 今後の株価動向を見る上で、日銀の動きには要注目だ。
2003/2/14