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UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、「政府と日銀のアコードと総裁人事」を挙げる。
<「政府と日銀のアコード」の実態が見えない点が混乱の一因> 日銀総裁人事は依然として混沌としている。福井氏の確率が上昇しているが、決め手はない。「財務省の反対が根強いとみられるからである」と語る。財界も腰が引けてきたとも言う。これまで取り沙汰されてきた候補のいずれもが就任に後ろ向きであるとみられる。こうした中で、財務省OBの可能性が残っている。 日銀総裁人事混迷の1つの大きな背景は人材難にあるが、それにも増して重要なことは、「政府内において『デフレ克服の方策』に対するコンセンサスが存在しないこと」である。デフレ克服の方策が決まっていないため、「政府と日銀のアコード」についても、言葉ばかりが先行し、実態が見えない状況となっている。そして、そうした状況を受けて、日銀総裁人事もなかなか決まらない。
<「デフレ克服の方策」としては基本的に3つ> 「デフレ克服の方策」としては、基本的に、@金融の量的緩和拡大による円安誘導、A財政と金融の同時出動による需要刺激、B不良債権の早期処理による銀行 ・企業改革、の3つを指摘する。現政権は、財務省と竹中氏一派の影響を受けながら、@とBの同時達成を目指してきた。しかし、守旧派(抵抗勢力)の抵抗から、そのいずれの政策も中途半端な形でしか実現できそうにない。「逆に言えば、むしろAの方策が一気に政策の中心的な命題に浮上する可能性がある」と言う。
<ETF購入の主旨は銀行のバランスシート健全化> いわゆる改革派にとってみれば、Aは推進しにくい政策である。改革派は、日銀総裁人事を利用して巻き返しを図りたいところであろう。そして、その際、上記の方策のうち、@とBのいずれに軸足を置くかを決めなくてはならない。@に軸足を置くのであれば、次期日銀総裁は財務省出身者となる可能性が高く、Bに軸足を置くのであれば、福井氏になる可能性が高い。福井氏が就任した場合に確率が上昇すると考えられる、日銀によるETF購入も、その政策の主旨は銀行のバランスシート健全化である。
<「財務省」VS「日銀信用機構派・竹中氏」の様相> このように考えると、日銀総裁人事を読むに当たっての重要な要素は、「米国との政策協調、あるいは為替政策協調の方向性」ということになる。新財務長官に就任するスノー氏は強いドル政策支持を明確に表明している。このことは日本政府が @に軸足を置くことが可能である可能性を示唆している。この点に絡んで、「相対的にはBの政策に積極的な竹中氏と米国政府・経済チームの関係が最近になって希薄化して来ていること、も考慮しなくてはならない」。 日銀総裁レースは、「財務省」VS「日銀信用機構派・竹中氏」の様相を呈してきた。「財務省が想定するアコードと、竹中氏が想定するアコードは、本質的に異なる」。日銀総裁人事が明らかになるとき、政府と日銀のアコードの本質も見えてくることになる、と言う。