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「暴騰したクウェート市場」
チャートの通り、いま世界で最も元気な株式市場はクウェートである。サウジアラビアとバーレーンも好調であるがクウェートは絶好調である。
第1次湾岸戦争は1991年にイラク軍がクウェートに侵攻して国家併合を宣言したためにぼっ発した。イラクとクウェートは長い国境線を接しており、私はイラクの戦車隊が移動するありさまをクウェート市街から肉眼で見たことがある。
そのイラクとの間で第2次湾岸戦争が始まろうとしているときに、クウェートの株価が暴騰するとは常識では考え難い。そこで今回は常識の背後に隠された事実を推測してみたい。
第1に、石油相場の暴騰でクウェートの上場企業の業績が好転した。
第2に、第2次湾岸戦争はアメリカの勝利が確定的である。中東の株式市場では、世界第2位の埋蔵量を持つイラクの石油利権の再配分と、戦後復興をにらんだ駆け引きが既に最終段階に入っいるだろう。
第3に、オイルマネーは欧米の金融市場の調整が長引くとみて中東市場に回帰した可能性がある。すなわちアメリカはドル安のリスクがある。ヨーロッパの株式市場は年金売りで一段安のリスクがある。
「オイルマネーの行方」
しかしオイルマネーが本格的に欧米から回帰するには中東の株式市場のスケールが小さ過ぎる。そのとき第3の選択肢は東京市場となるだろう。しかし東京市場もまた年金や銀行の売り圧力にさらされているから大型株は買い難い。
業績と需給の両面を見ても、値がさハイテク株は調整未了感が強い。しかし長年人気の圏外にあったオールドエコノミーは、大合併とリストラを経て歴史的な底値を形成した業種が多い。これを具体的な銘柄に即して考えてみたい。
石油相場が10ドル台から30ドル台に暴騰してから3年以上を経過した。産油国は財政再建を果たし現在は将来のシェア争いに備えて設備を更新、増強する動きが活発である。
天然ガスの液化プラントで傑出した技術を持つ日揮と千代化建は受注満杯で選別受注に入っている。ロシアのパイプラインの建設でコマツはブルドーザーの大量受注が期待できる。油井掘削のシームレスパイプで世界一のシェアを持つ住金は数量と価格ブームを満喫している。
「もう一つの注目点」
以前にも私は第2次湾岸戦争がサダム・フセインの亡命で決着するのではないかと述べたが、世界中のマスコミが気付いていない根拠がある。
独裁者は強大な権力を誇示しているが、現実には孤独で、さい疑心が強く、権力に近づいたNo.2を排除し、海外に巨額の亡命資金を蓄えている。中でもフセイン大統領は世界第2位の産油国イラクで長期にわたり独裁権力を振るってきたから、間違いなく世界一の大金持ちであろう。
今回の戦争はフセイン大統領の首を取ることだけが目標である。私は世界一の大金持ちが殺されるための挑発に乗るとは思わない。第2次湾岸戦争が戦わずして決着した場合の市場人気の変化を想定しておく必要もあるだろう。
(クラブ9)
http://www.kyas.com/club9/c9/c9_462.html