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金(ゴールド)が急騰していますが、金(ゴールド)にからんだマーケットニュースを追いかけているうちにおもしろいサイトにぶつかりましたのでそれを今回はお伝えしようと思います。金の専門家であり、長年に渡ってニュースレター(Freemarket Gold and Money Report)を発行しているJames Turksという人が、アメリカのSEC(証券取引委員会)宛に送った手紙を自分のウェッブサイトで公開したものです。
http://www.fgmr.com/morgan-enron.htm
「先頃不正会計処理で倒産したエンロンの資金繰りのため、大手金融会社のJPモーガン・チェース(以下JPM)が金(ゴールド)と石油の巨額のスワップ取引を行っていた節がある。そのスワップ取引でJPMはエンロンに資金を提供していたが、エンロンが倒産したのでとてつもなく大きな金ポジションをかかえている。
JPMはエンロンとの違法取引による損失を保険請求したり、マスコミがその金取引をすっぱ抜くと経営陣は(違法行為にあたる)金ポジションなど持っていないと否定した。そもそもJPMのような株式会社は、投資家に正しい情報を開示する義務があり、従ってSECに対して調査したらどうか。」という内容なのです。
「JPMとしてはスワップ取引のうち、約10億ドル(=1200億円)の損をを保険でカバーしようとしたが、保険会社が契約内容を調べている内におかしな事に気がついた。当該ディールは偽ディールだとして保険料は支払えぬという訴えをニューヨーク連邦裁判所に起こすことになり、それがマーケットにうわさとなって流れJPMの株価は昨年売られることになった。
その後経営陣は『そのような事実はない!』と何度も否定したがうわさは何回も出てきている。そのうわさの詳細だが、大手石油販売会社であるエンロンは石油を買い付けるにあたって資金繰りに困ったので、当時のチェース(JPモーガンと合併前の)に頼んで、金と原油のスワップ取引をして資金を作ったというものだ。」
「チェースのような金融会社は法的に現物の商品の買いつけを行えないことになっているので、チェースは英国のチャネル諸島(タックスヘイブン=非課税地域)に作ったMahoniaという会社に金と石油のスワップディールを行わせ、そのお金をエンロンに渡していたらしい。
このスワップディールの流れは次のようなものだ。(チェースの資金を使って)MahoniaがまずFEDから現物の金(ゴールド)を借り受ける。この借りうけた金(ゴールド)を先物マーケットで売り払う。金(ゴールド)を売った代金を石油購入代金に充当する。」
エンロンはその石油販売代金を利益計上し、従って決算上はエンロンは優良大企業であり続けられる、ということなのでしょう。(筆者)
「そのころの金価格は比較的低位で安定していたので、現物のヘッジで作ったデリバティブポジションは安全に見えた。従って金価格が高騰し始める最近まではなにも問題が起こらなかった...。このスワップディールにからむ金取引のポジションは410億ドルと試算されているが、これは金換算すると世界の金産出量の1.5年分に匹敵する金額である。
この取引の裏にはJPMの金取引の責任者メフタ氏の姿が見え隠れする。金スワップ取引の専門家で、業界では有名な人物だ。このMahoniaという会社は、6−7年前に住友商事の浜中氏による26億ドルの銅デリバティブ事件にもからんでいた会社である。つまり、エンロン同様、金スワップディールによる資金繰りで浜中氏の銅のロスを隠す手伝いをしていたという会社である。
火の無いところに煙はたたない。JPMの経営陣はうそをついている可能性が高い。LTCMがデリバティブで損を出した時もうわさが先に出た。LTCMの経営陣はそのうわさを否定。エンロンの粉飾決算の時もうわさがまず出て、それを経営陣が隠そうとしたではないか?JPMのうわさもまったくのでたらめではないはずだ。でまかせでない証拠にOCC(Office of the Comptroller of Currency=通貨監査事務所?)宛にJPMが提出したデリバティブのポジションをを見るとJPMの前身であるチェースは1997ー2000年の3年間に金のデリバティブポジション(金額換算)を118億ドルから298億ドルに急贈させたことになっている。
この間エンロンの金取引量も急増している。エンロンが破綻する前、チェースを採りこんだJPMの2001年12月31日の金ポジションは410億ドル、その直後のレポート、つまり2002年9月―エンロンはすでに破綻していたが―その時の金ポジションは同額の410億ドルであった。エンロンがらみのポジションでなければ考えられない一致だ。」というような骨子の手紙です。JPMはこうしてとてつもなく大きいポジションを隠し持っているが、持っていないとうそぶいているので、SECの権限で調べてくれというかなり迫力のある内容です。
いずれにせよこの訴えの内容が正しく、かつ筆者の理解が正しければ、JPMは世界の金産出量の1.5年分に匹敵する金を空売りしている計算になりますからこれはただ事ではありません。最近の金価格の高騰は、もしかするとJPMがショートポジションをカバーし始めているからかもしれません。あるいはこれからカバーするのかも...?
この問題が再びマーケットを騒がせる日が来るかもしれません。それもJPMのような大企業がが絡んでいるとすればマーケットへの打撃は小さくありません。
(いよいよ本丸にデリバティブの"魔の手”が、と思えてなりません。)