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日本のニューフロンティアは、経済のサービス化の加速にある。医療や教育といった分野で、徹底的な創造的破壊を促し、雇用を創出していかなくてはならない。ここで後れをとれば、消費者は高い質のサービスを海外に求め、こうした産業の最先端部門で空洞化が進むからである。
バブル崩壊後の経済では、就業者数の減少、失業の増大が続いているが、そのなかで唯一就業者数が増加しているのがサービス業である。労働力人口の増加が期待できない経済が成長するには、既存産業の合理化を加速し、生産性を引き上げ、結果として余剰となる人員をサービス業で吸収していくしかない。
経済構造からすると、設備投資も財政も貿易黒字も大きすぎる。消費が増えなくてはいけないが、消費のなかでは、耐久財などモノの消費はすでに成熟し、今後の成長は期待できない。人口一人当たりの耐久財消費を米国と比較すると、日本は3700ドルと米国の1.3倍にもなっている。これに対して、サービス消費の方は、7800ドルと米国の6割の大きさでしかない。ここには伸びる余地が十分ある。
1997年以降、就業者数は非サービス業で年率70万人減少し、サービス業では30万人増加してきた。非サービス業の生産水準が変わらないとすると、生産性が1.4%上昇したことになるが、この程度ではまだ少なすぎる。
それよりも問題なのは、サービス業での雇用の伸びがあまりにも小さいことだ。規制緩和や起業促進のための税制改革を急がなくてはならない。と同時に、家計部門への所得移転が必要だ。所得減税が難しい現状で有効なのは、利子所得の復活である。ゼロ金利こそ諸悪の根源である。ゼロ金利からの脱却こそ成長の第一歩といってよい。
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★ 中前氏も、産業の規定的重層性が理解できていない。
製造業における生産性上昇とその反映としての製造業就労者の可処分所得が増加することで、サービス業は拡大していくものである。
中前氏がサービス化の原資と考えている利息は、銀行・借り入れ企業・預金者のあいだの通貨移転であり、その三者間で“余剰通貨”を抱えて使わないところから使いたくてもお金がないところに利息が移転していくことで経済効果は出る。
しかし、現状のように、銀行・借り入れ企業がともに苦境に陥っている状況での無差別の一般政策である利息分配政策はマクロをおかしくするので、預金者への利息増加ではなく、“余剰通貨”を抱えて使わないところから特定的に吸い上げて再配分するしかない。
かつてのように自律的な産業の“サービス化”が達成できない状況で“サービス化”を図ろうとしたら、政府が余剰通貨を吸い上げそれをサービス(人的活動)業務拡大に振り向けるしかない。