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東京 2月10日(ブルームバーグ):全発電量に占める原子力の割合が3割に達する東京電力は、福島第一原子力発電所(福島県双葉郡)5号機の運転をあす停止する。定期検査の期間に入るためで、一連の不祥事による停止を含めて稼動している原発は4基に減る。
東京電力の原発全17基の発電出力は約1731万キロワット(全体では6038 万キロワット)。福島第一5号機が停止すると実際の発電量は434万キロワット、原発出力の4分の1に減る。トラブル隠しといった不祥事などを受けて残る4基も4月15日までに運転を停止する予定だ。
来月は柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市)で2基が停止、福島第一で1基も停止する。この段階で原発出力は全体の6%程度まで落ち込む。最後の1基の福島第一の6号が停止する4月中旬までに他の原発が再稼動しないと、すべての原発が稼動を停止する。
原発停止による出力を補うため東京電力は、休止火力発電所の運転再開や火力や水力発電所の検査・補修時期の調整といった対応で電力を確保している。
火力発電所では2月に品川火力発電所1号系列3軸、富津火力発電所3号系列2軸(ともに液化天然ガス、出力は各38万キロワット)が試験運転を開始、この電力を活用する。同月中旬には横須賀火力発電所(重油・原油)6号機(35 万キロワット)と川崎火力発電所(液化天然ガス)5号機(17万5000キロワット)が運転を再開する。
東電、夏場までに10基の原発再稼動が必要
こうした火力発電所の稼動は今後の天然ガスや重油・原油の需給動向に影響を与える可能性がある。東電は今年度の原油・重油の消費量を700万キロリットル(期初計画は390万キロリットル)に上方修正した。年度内の燃料についてはすでに確保しているが、来年度以降の燃料調達については3月中に計画をまとめる予定だ。
東京電力の築舘勝利常務は7日のアナリスト説明会で、冷房をはじめとして年間で最も電力需要が膨らむ夏場までに、原発を10基程度再稼動させないと電力供給力が足りなくなる恐れがあることを示したという。
説明会に出席したみずほインベスターズ証券の河内宏文アナリストは、原発はベース電力(常に稼動して電力を送り続ける供給の基底部分)供給源であり「確かにその程度稼動させないと電力不足になる可能性はある」と予想した。
こうした事態を前に東京電力は、原発がある地元との話し合いを重ねて再稼動の前提になる原発への信頼回復を目指すことになる。
東京電力の株価は、前週末比5円(0.2%)安の2290円(午前10時20分)。第499回普通社債(償還期日2012年12月26日、クーポン1.115%)の7日終値気配は101円49銭、利回りは0.95%。同年限の国債との利回り格差(スプレッド)は0.11ベーシスポイントだった。この格差は発行以来10−12ポイントで推移している。
【東電の原発の稼働状況】(●停止中、○運転中) 発電所名 号機 (出力) 状 況 ---------------------------------------------------------------- 福島第一・1号機(46万キロワット)●検査中
2号機(78.4万) ○運転中(3月31日停止、漏洩率検査)
3号機(78.4万) ●検査中
4号機(78.4万) ●検査中
5号機(78.4万) ○運転中(2月11日停止、定期検査)
6号機(110万) ○運転中(4月15日停止、漏洩率検査)福島第二・1号機(110万) ●検査中
2号機(110万) ●停止中
3号機(110万) ●検査中
4号機(110万) ●検査中 柏崎刈羽・1号機(110万) ●検査中
2号機(110万) ●停止中
3号機(110万) ●検査中
4号機(110万) ●検査中
5号機(110万) ○運転中(3月1日停止、点検停止)
6号機(135.6万) ●検査中
7号機(135.6万) ○運転中(3月29日停止、点検停止) --------------------------------------------------------------------- 合計 17基 (1730.8万)
東京 上野 英治郎 Eijiro Ueno