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9日付人民日報は、日本経済に関する馮昭奎・中国社会科学院研究員の論評「舵取り困難な巨船」を掲載した。主な内容は次の通り。
小泉純一郎首相は2年前、「改革なくして成長なし」と語った。現在の状況を見れば、この2つの「なし」が日本の経済成長及び改革の進展の現状を映し出している。
小泉首相の周辺は混乱の様相を呈している。与党・自民党は、改革に反対する「抵抗勢力」の総本山。改革に消極的で抵抗する姿勢により、年に一度の自民党大会も「論なく」「策なく」「力なく」、ただのセレモニーに終わった。国会の状況も、ことごとく意のままに進まない。昨年の前半国会は「スキャンダル合戦」の挙句、参院議長と2議員が辞職、1議員が逮捕・起訴された。昨年年末に閉会した臨時国会は原則なき妥協の連続で、一部重要法案は審議されず、改革の停滞どころか後退すら招いた。報道によれば、会期中にも関わらずしばしば休暇を取り、出席してもいい加減で上の空の無気力議員が少なくないという。
一部政治家は既得権益のための旧体制維持に汲々としている。まさに専門家らが指摘するように、現在の小選挙区制における政治家の関心事は「国家の大事」よりも、自身の政治利益や票集めといった「個人の大事」。このことが、全体利益や長期利益を具体化する改革案や措置が、幾重にも取り囲まれた抵抗に遭い、成立、実行が難しい本当の原因でもある。
経済グローバル化の趨勢が日増しに増している今日、各国の改革はしばしば外部からの力の働き掛けが必要となるが、日本の改革の現状は、こうした外部からの力の作用が足りないようだ。本来、アジア隣国との経済協力強化は日本の産業構造調整に役立ち、日本の伝統的体制を革新するための原動力となりうる。実際に、アジアの経済成長の活力を利用して日本経済を振興しようという日本経済界からの声はますます高まっている。しかし、日本の一部勢力はこうした外部からの働き掛けを「脅威」とみなし、こうした外からの力の利用を拒絶する傾向が強い。小泉首相のアジア外交は、することなすこと日本経済の発展という現実的要求に逆行。改革と開放、内政と外交を結合させ、実際の国情と発展の要求に反映させる改革の戦略や青写真を描ききれていない。
日本の改革の停滞は経済低迷の持続を招いた。しかし、日本は今なお経済規模、科学技術競争力は世界第2位、民間金融資産、外貨準備高、貿易黒字は世界第1位。日本という大きな船は方向転換に苦しんでいるとはいえ軽視してはならない巨船であり、正しい進路に向かって全力で前進すれば、遠洋への新たな船出の実現も必ずしも夢ではない。
「人民網日本語版」2003年2月9日